論評
最近、信頼性の高い報道機関が掲載した見出しが私の目を引いた。
「社会主義は再びアメリカを幸福にできるのか?」
私は、この記事は風刺に違いないと思った。何億人もの死者、悲惨な生活環境、個人の自由の剝奪をもたらしてきた、最も抑圧的な統治形態が、いったい誰を「より幸福」にできると、まともな判断力を持つ人間が信じるというのだろうか。
冗談ではなかった。近頃、「社会主義の時代が到来した」と宣言する一連の記事や、特に若者の間で社会主義の人気が急速に高まっていることを示す同様の調査結果も、冗談ではない。
アメリカは社会主義の問題、あるいは社会主義に対する認識の問題を抱えている。国民のかなりの部分が、社会主義によって何らかの形で生活の質を向上させられるという嘘を信じ込んでいる。そして、その主な原因は、進歩派が教育制度を洗脳マシンへと変えることに成功したことにある。
高等教育が長年にわたりリベラリズムの拠点であったことは周知の事実である。最近のある世論調査では、4年制大学の教授の半数が自らをリベラルと認識していたのに対し、保守派と認識していたのはわずか4分の1であった。保守派の教員は、解雇や報復を恐れて自らの政治的立場を隠す傾向が、かなり強かった。
同様に、2020年の調査では、保守派の大学生の約40%が、同級生から苦情を申し立てられることを懸念し、自分の政治的見解を表明することに抵抗を感じていたことが分かった。
わが国(米国)の教育機関は、若者に社会主義の危険性を積極的に教えようとするはずだと考える人もいるだろう。実際、近年の歴史には数多くの事例があるからだ。しかし、現実には、250年以上にわたってアメリカを世界的な希望と自由の象徴にしてきた自由市場の競争の弊害を説いている。
今年発表された年次調査では、学生の約40%が、大学の授業や活動によって資本主義に対する見方が悪化したと回答した一方で、大学での経験によって資本主義に対する見方が改善したと回答した学生は10%未満であった。これは驚くべきことではない。同じ報告書の2年前の調査では、教員は「社会主義に対して肯定的であり、資本主義に対して否定的であることの方が多い」と指摘されていた。
現在、18歳から34歳までのアメリカ人の46%が社会主義に好意的な見方をしており、社会主義に否定的な見方をしている人の2倍以上に上っている。
悲しいことに、左派による洗脳計画は、今や大学に入学するはるか前から始まっている。生徒たちは、 早くも小学校の段階から、 資本主義の不道徳性を教え込まれ、社会主義を美化する考えに染められている。
2016年に発表され、現在も頻繁に引用されている調査では、ミレニアル世代とZ世代の学生の3分の1が、ジョージ・W・ブッシュ元大統領の下で殺された人の数は、ソ連の独裁者ヨシフ・スターリンの下で殺された人の数よりも多いと信じていたことが明らかになった。学生のほぼ5人に1人は、スターリンが誰なのかさえ知らなかった。
アメリカの公民教育も、改善の方向に向かっているようには到底見えない。共産主義犠牲者記念財団が2019年に実施した世論調査では、Z世代の学生の7割以上、ミレニアル世代の学生の6割以上が、幼稚園から高校までの教育課程を通じて、共産主義政権について学んだことがないと回答した。
2022年、アメリカの全国教育進歩評価(NAEP)における米国史の得点は、2018年から5ポイント低下し、2014年の平均を14ポイント下回った。この評価は、「民主主義、文化、技術的・経済的変化という文脈の中で」生徒の米国史に関する知識を測定するものである。
1997年、20世紀だけで共産主義・社会主義政権の下で約1億人が死亡したと推計した『共産主義黒書』の出版後、故歴史家で政治評論家のトニー・ジャット氏は、本人も筋金入りのリベラル派であったが、ニューヨーク・タイムズ紙に次のように寄稿した。
「もはや誰も、共産主義の犯罪性について知らなかった、あるいは確信が持てなかったと主張することはできなくなる。そして、忘れかけていた人々は、改めて思い出さざるを得なくなるだろう」
しかし、アメリカ人、特に若者たちは忘れてしまった。あるいは、より正確に言えば、社会主義の醜い現実を省き、偽りの安心感を作り出した、事実に反する美化された社会主義像を見せられてきたのである。当然のことながら、彼らの多くは、この心地よいものの、結局は虚構にすぎない物語を受け入れてしまった。
しかし、それによって真実が変わるわけではない。統治制度としての社会主義は、これまで一度も機能したことがなく、今後も決して機能することはない。今こそ、学校で教える内容を根本的に見直し、子どもたちに真実を教え始める時である。

ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。