ロヒンギャ難民30万人「ミャンマー憲法改正が課題」=専門家

2017年09月12日 17時42分

 仏教国ミャンマー西部で8月下旬から、ムスリムの少数民族ロヒンギャの武装勢力と治安部隊による衝突が続いている。情勢混乱のためロヒンギャは、バングラデシュをはじめ近隣国へ移動している。専門家は「世界でもっとも虐げられた民族」と例えられているロヒンギャ問題を解決するには、民主化の象徴であるアウンサンスーチー氏の憲法改正が課題と指摘する。

 国連によると、ロヒンギャ難民は30万人に達し、多くは女性や子供、高齢者。船で海上を移動するものもいるが、沈没し、相次いで水死しているという。ロヒンギャの住民被害が拡大していることを受けて、双方は10日、1カ月の停戦を宣言した。

 国連人権高等弁務官は11日、国連の現地調査は行われていないが、ロヒンギャ問題について「民族浄化」が疑われるとして懸念を表明した。国連は、かねてからロヒンギャについて「世界でもっとも虐げられた民族」と例えている。

9月11日、バングラデシュに到着したロヒンギャ難民(MUNIR UZ ZAMAN/AFP/Getty Images)

アウンサンスーチー氏 偽情報に懸念

 事実上のミャンマー指導者アウンサンスーチー国家顧問兼外相は6日、ロヒンギャ問題について声明を発表。「国内に住む人々全員が社会的、人道的に保護されるように対応している」と主張した。また、治安部隊がロヒンギャを迫害しているとの情報は「大量にあるニセ情報の巨大氷山の一角」と否定し、「テロリストの利益」を助長しているとした。

 報道制限しているミャンマー政府は、6日と7日に、衝突が発生しているラカイン州での海外メディアの取材を許可。当局の発表では、同州のある村はロヒンギャ側の武装集団「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)」の襲撃に遭い、学校や住宅などが放火され、400人以上が死亡したという。ARSAのリーダーは、パキスタンで軍事訓練を受けているとの報道もある。

 政府は対テロ法に基づいてARSAを「テロ組織」に指定し、治安部隊の増派を決めた。民主化の象徴でもあるスーチー氏は武装しない市民は保護したいとの意向を示している。

ロヒンギャをめぐる背景

テイン・セイン政権時、ミャンマー国内で隔離されたゲットー内で暮らすロヒンギャ。2012年11月撮影(Getty Images)
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