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中国の財政状況は、大幅な債務によって崩壊寸前かも。写真は、古いビルの爆破の様子(AFP)

政府、債務を大幅隠ぺい 実質はGDPの6割か=中国

 【大紀元日本8月8日】中国政府が公表した昨年末までの政府債務のGDP比は17.7%、主要経済国が羨むような低数値だ。しかし、この公式数値は、地方政府の巨額負債と中央政府の不良債権を除いたもので、実質的な負債率はGDPのほぼ6割を占めるほど深刻である。

 先月27日のロイター通信によると、 中国の実質的な負債率はGDPのほぼ6割を占め、2008年末の景気刺激策導入前の米国の負債率の7割とほぼ変わらない、とアナリストは分析している。米国は今年度のGDP予算に12.9%の赤字を組み込んでいるが、中国は現実逃避の2.9%。中国政府は、4兆元に及ぶ2カ年経済刺激策を打ち出してはいるが、中央財政の悪化、さらに地方政府の起債(地方債の発行)倍増と、景気刺激の効果を図るには、かなり厳しい現状に置かれている。

 中国政府発表の経済指標を見ると、中国経済はすでに軌道に戻っており、4兆元の景気刺激策以外の政策は当然不要だと思われるが、政府幹部が財政状況に悩まされている事実は隠せない。先週、温家宝首相は「われわれの財政は消沈状態」と政府高官に告げている。財源確保のため、9500億元の国債発行が数年間予定されている。

 今年度上半期の税収は昨年比2.4%減で、GDPの目標成長率8%からは程遠い。第二四半期の公共投資は予想を上回り、6月の税収状況も多少改善はされるが、ほとんどが単発的な土地の売上げによるもので、今後の税収改善の因子とはならない。北京駐在のBNPパリバのアナリストであるアイザック・メング氏は、最も楽観的に見ても、今後3年間の財政赤字は5%前後になると予想している。

 中国の財政問題は、隠れた不良債権が表面化することにある。財務高官は今年始め、地方政府の負債は既に4兆元で、GDPの16.5%と推定。さらに、銀行不良債権4000億元、不良債権として隠蔽され資産管理企業に譲渡された1兆元などは全て、最終的には中央政府の負担となる。

 中国の法律では、 銀行の地方政府への融資は固く禁じられているが、地方政府は法律の抜け穴を利用し、信託会社の介在で株主資本として銀行資金を入手している。 地方政府が債務に債務を重ねる結果を生み出している。

 政府が太鼓判を押す構造基盤プロジェクトへの銀行投資にも問題がある。上海駐在のスタンダード・チャータード・バンクのエコノミストであるスティーヴン・グリーン氏は、政府発行の債務を、控え目に見積もっても今年度だけで1.75兆元としており、 これは政府債務のGDP比をさらに 10%上乗せさせるに等しい数値である。中国の週間経済情報紙「経済観察報」は、地方政府による不透明でレバレッジの高い融資を「債務の時限爆弾」としている。 膨張するリスクについて、 政府の銀行業務監督機関が信託会社と銀行に警告を出し始めたと中国国内では報道されている。

(翻訳編集・鶴田)

 (09/08/08 11:15)  





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