自動車販売世界一のフォルクスワーゲン 中国市場で濃厚になる不利益さ

排ガス量不正問題があったもかかわらず、独フォルクスワーゲンは2016年、世界販売台数が1031万台となり、トヨタを抜いて初の世界首位になった。フォルクスワーゲンは世界最大の自動車市場である中国に力を入れている。
しかし、中国への依存は、長期的にはフォルクスワーゲンを失望させる可能性がある。
フォルクスワーゲンは、2015年9月に排ガス量不正問題をめぐって、罰金や法律手続きで数十億ドルを失った。 これにより米国と欧州ではブランド価値を下げたが、中国では、ディーゼルの乗用車はまれであるため、あまり影響なかった。
フォルクスワーゲンの中国における売上高は昨年、前年比で12%増加し、中国の自動車販売台数の40%近くを占めた。
「中国の消費者は、ドイツのブランド、特に自動車ブランドに厚い信頼を寄せている」。大紀元の取材に答えた、アジア自動車市場の投資企業Dunne Automotive(香港拠点)の社長マイケル・ダン氏は分析する。
ダン氏によると、フォルクスワーゲンは中国のSUV市場の占有率は2位。同社のほか、アウディ、メルセデス・ベンツ、BMWなど、ほとんどのドイツメーカーが、中国で見られる。
日本人や韓国人と違って、中国人は少なくとも現在は、自国ブランドを好まない。しかし、消費者心理はこれから国産志向へと変化する可能性は十分あるという。
中国政府による、国内自動車メーカを推す保護主義政策と、外国競争相手に対する独占禁止法の取り調べと罰金は、世界の自動車メーカーにとってリスクだ。
「日本やドイツの自動車メーカー、最近ではゼネラルモーターズも、独占禁止法違反として2000万ドル~6000万ドルもの罰金を中国当局に支払った」とダン氏は述べた。
しかし、外国企業は、中国での振る舞いに抑圧を感じるいっぽう、年間何百万台もの自動車を売って、利益を上げているのも事実だ。
中国参入 やがて濃厚になる不利益さ
