大紀元時報

中国共産党、オンライン投稿の追跡を海外在住者まで拡大

2021年03月23日 13時15分
中国共産党がオンライン投稿の追跡を海外在住者まで拡大(THOMAS SAMSON/AFP)
中国共産党がオンライン投稿の追跡を海外在住者まで拡大(THOMAS SAMSON/AFP)

王靖渝氏はオンラインで意見を投稿しただけで、まさか自分自身が中国共産党から追われる身になるとは思ってもみなかった。この19歳の青年は2019年7月に故郷の中国四川省重慶市を離れ、現在は欧州を旅している。

中国国営報道機関がヒマラヤ紛争地域で発生した中印武力衝突に関する情報を報道した後の2021年2月21日、人気のマイクロブログウェブサイト「Weibo(微博)」のネチズン(ネット市民)等が王氏を中国当局に通報した。中国人民解放軍(PLA)の行動に疑問を呈したというのがその理由である。 2020年6月にインド軍と中国人民解放軍の間で武力衝突が発生したが、中国共産党は2021年2月19日になってから中国人兵士の死者数は4人と公表した。国営報道機関は、中国人兵士が「中印国境を越えて中国側に侵入した外国軍兵士との戦闘により死亡した」と伝えている。

同日、中国共産党の軍の公式新聞「解放軍報」には、同地域に「若さ、血、さらには命を与えた英雄」として中国人兵士4人の名前が掲載された。中国共産党機関紙である人民日報が報じたところでは、死亡した兵士等には名誉称号や勲章が贈られている。

2月21日に王氏は投稿記事で、中国政府は真の死者数を公開しておらず、衝突から8か月も経ってから死者数を発表するのはおかしいとする意見を投稿した。 同氏はボイス・オブ・アメリカに対して、「その夜の午後6時50分頃、数人の重慶市警察の警官と私服職員が両親のコンドミニアムを訪問した」と述べている。

ガーディアン(The Guardian)紙の報道によれば、警察当局は声明で、王氏が「英雄烈士を中傷して社会に悪影響を及ぼした」とし、「法律に従って英雄烈士の行動と精神を公然と中傷した人物を公安機関は拘束すべく追跡していく」と発表した。

王氏の発言によると、両親は手錠をかけられ家宅捜査によりiPad、現金、コンピュータなどが押収された。地元の警察署に連行された両親は、警官から息子にWeiboの投稿を削除するように伝えるよう命令された。 王氏は、「それ以来、警察当局は両親を毎日午前6時頃に警察署に連行し、食事も提供せずに別々の取調室で午後6時か7時頃まで尋問を続けている」と話している。

また、「警察は同じことしか言わない。『息子はいつ帰国するのか?下手な嘘はつかないほうがいい』である」とも述べている。 王氏はさらに、「警察当局は私自身に直接テキストメッセージを送ってきたこともある。3日以内に帰国せよという内容で、さもなければ両親[の状況]が『どうなるか分からない』と言うのである」と語っている。

中国では2018年に「英雄烈士保護法」が制定された。中国共産党傘下の英字新聞「チャイナデイリー」紙によると、同法律は「愛国心と社会主義の核心的価値観を促進することを目的とし、英雄烈士の中傷およびその功績を曲解・軽視する活動を禁止」するものである。2021年3月に発効した英雄烈士保護法に関する中国刑法修正案により、違反者は最大3年の懲役が科される可能性がある。

同中印紛争についてオンラインで批判的な意見を投稿した容疑で、当局により少なくとも6人が拘束されている。 中国共産党は検閲範囲を拡大し、連座または「連座の誤謬」という戦術を用いて、ソーシャルメディアで中国政府を批判する海外在住の中国国民も追及するようになった。

通常、同戦術には海外在住の容疑者本人だけでなく、中国在住の家族や親戚などを脅迫するという行為が含まれる。 ニューヨーク市に所在するハンター大学の人権学者で活動家でもある滕彪弁護士は、王氏のような事件が増えていると述べている。

滕弁護士は、「正常な社会では、連座といったような制度は存在しない」とし、「自分自身の行動に責任があるのはその個人だけである。中国の法律に基づくと、全員が一個人の行動の責任を取らなければならない。しかし、実際にはそれは理不尽というものだ」と話している。 王氏は両親の安否を心配しているが、短いビデオチャットで王氏の父親から我慢するように伝えられたという。

父親は王氏に、「負けるな。万が一これで命を落とすことになるとしても、夢を追いかけろ。お前の名前は歴史に刻まれる」と語った。 王氏はボイス・オブ・アメリカに対し、中国には帰国せず、同国のインターネット検閲システム「金盾のファイアウォール機能(万里のファイアウォール)」の向こう側にいる人々のために発言を続けるつもりであると述べている。 同氏は、「おそらく99%の人は私が選んだ道を理解できないと思う」とし、「しかし、たとえ1%でも人々の目を覚ますことができるのであれば、やる価値がある」と話している。 

(Indo-Pacific Defense Forum)

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