米国人7割がTikTok親会社の「拠点が中国」を懸念=世論調査

2023/03/25
更新: 2023/03/25

米大手紙が22日に公表した世論調査では、米国人の7割がティックトック親会社の中国IT大手・字節跳動(バイトダンス)が中国に拠点を置いていることを懸念している。また米国人の4割が米全土でのティックトックの一般利用禁止を支持すると答えた。

調査は17〜18日にかけて、米国の成人約1000人を対象に米紙ワシントン・ポストが実施。回答者の71%が、ティックトックの親会社が中国に拠点としていることを懸念していると回答した。

「ティックトックが中国政府のために米国人の個人情報を窃取する」可能性があるかとの質問には、「あり得る」と答えた人が65%。また同アプリが「米国の利用者がティックトックで視聴するコンテンツを中国政府がコントロールする」可能性があるかとの質問に対しては、「あり得る」と答えた人は56%だった。

近年、米国などでティックトックの利用者情報などがバイトダンスを通じて中国政府に流出している可能性があるとの警戒が高まっている。

米全土でのティックトックの一般利用の禁止については、「支持する」と答えた米国人は41%、「反対する」と答えた人は25%、「どちらでもない」と答えた人は34%だった。

政党別では、共和党は一般利用禁止への支持が51%、反対が21%。 無党派層は支持が48%、反対23%、民主党は支持が33%、反対が26%だった。

利用者の多い18〜34歳の若者層のうち40%が一般利用禁止に反対、28%が支持、32%が「どちらでもない」と回答した。

ティックトックが心と身体に与える影響について、米国人の72%が「若者の心の健康に害を及ぼす可能性がある」と回答。 さらに、50%が「ティックトックはトレンドを通じて違法行為を助長するおそれがある」と回答した。

ティックトックは若者を中心に急速に人気を集め、アクティブユーザー数は1億5000万人にまで急増。急成長の反面、利用者への悪影響や国家安全保障上の懸念が問題視されている。

ティックトックをめぐっては、米政府が最近、バイトダンスにティックトックを運営する傘下企業の株式を売却するよう指示。売却に応じない場合、米全土でティックトック利用が禁止される可能性がある。これに対し、中国商務省の報道官は、売却する場合には中国政府の審査が必要だとの考えを示した。

ティックトックの周受資・最高経営責任者(CEO)は23日、米下院公聴会で初めて証言した。5時間に及ぶ公聴会の中で、中国政府とのつながりや同アプリの若年層への悪影響などについて議員からの追及を受けた。

ティックトックは中国共産党の情報操作を受けているとの連邦捜査局(FBI)や国家安全保障局(NSA)らの見解について問われると、周氏は「同意しない」と否定した。このほかスパイ疑惑やウイグルなど人権侵害の質問にも明確な答えを示さなかった。

周氏の公聴会について、ホワイトハウスの元政策顧問マイルズ・ユー氏は「ティックトックは(中共問題の)氷山の一角にすぎない。中共にはっきり拒否できない企業ならば米国に存在する価値はない」と評した。