自民党は13日の総務会で、国会提出が先送りされてきた年金制度改革関連法案を了承した。政府は16日の閣議決定と提出を目指す。
法案の柱はパート労働者の厚生年金加入拡大や在職老齢年金の見直しなどである。厚生年金積立金と国費を財源に基礎年金(国民年金)の給付水準の底上げも盛り込まれていたが、新たな負担につながるとして異論が相次いだため削除された。
厚生労働省は今年1月、働いて一定の収入がある高齢者の厚生年金を減額する「在職老齢年金制度」を見直し、2026年4月から年金をカットする基準額を現行の月収50万円から62万円に引き上げる方針を固めた。見直しでは、基準額を62万円に引き上げることで、高齢者の就労を促し、働き手不足の解消につなげたい考えがあるとみられる。
背景には、日本の少子高齢化による労働力人口の減少があるとされる。こうした中、高齢者の就労促進が急務とされているが、現行制度では収入が増加する保護年金が減額される仕組みが、就労意欲を損なう要因になっているとした指摘がある。
厚労省によると、2022年度末時点で働きながら年金を受給する65歳以上の高齢者は約308万人に上る。制度の見直しにより、こうした高齢者の就労意欲を高め、社会全体の労働力不足を補うことを目的にしている。
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