5月21日、米国防総省は、カタールから提供されたボーイング747型機を受領したと発表した。この機体は、将来的にアメリカ大統領専用機「エアフォースワン」の新機材として使用される可能性がある。
国防総省のショーン・パーネル報道官は、「すべての連邦法と規則に則り、国防長官が同機を受け入れた」と述べた上で、「この航空機を大統領専用機として使用するにあたり、必要な安全対策と運用要件を確保する」とコメントした。
トランプ氏は、今月初めにカタールを訪問し、同国との間で複数の経済・安全保障協定を締結し、その際、今回の航空機が「贈り物」として提供される形となった。
しかし、このような外国からの提供を受け入れることに対して、議会内では懸念の声も出ている。メイン州選出のジャレッド・ゴールデン下院議員は、X上で次のように指摘した。
「エアフォースワンは、政府内で最も機密性の高いやり取りが行われる場所だ。このような外国からの提供機には、監視や影響力行使のリスクが伴う。そもそも、こうした贈与を受け入れること自体が妥当なのか疑問が残る」
民主党議員らは、外国製航空機の使用を禁じる法案を複数提出しているが、現在は、共和党が上下両院の多数派を占めているため、法案成立の見通しは不透明だ。
21日、アメリカ空軍のトロイ・マインク長官は、上院の公聴会で、「民間航空機をエアフォースワンに転用するには大規模な改修が必要になる」と説明した。「長官の指示を受け、現在その機体が転用可能かどうか、詳細な調査中だ」と述べた。
これに対し、ダックワース上院議員は「軍が政治的な圧力によって、安全性や必要な手順を軽視するような事態にならないか懸念が残る」と発言した。
マインク氏は、「計画の要件に変更はないと認識しており、必要な安全性は確実に確保する」と強調した。
なお、アメリカの航空機メーカー・ボーイング社は、正式に次期エアフォースワンの製造契約を締結しているが、空軍関係者によれば、納入は当初予定より3年遅れ、完了は2027年になる見通し。現在のエアフォースワンもボーイング製で、1990年代初頭に製造されたものが使用されていた。
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