6月の第3日曜といえば「父の日(Father’s Day)」。お父さんへいつもは恥ずかしくて言えていない感謝の言葉を、改めて伝えるきっかけになる日である。
父の日の起源はアメリカ。1909年にワシントン州に住むソノラ・スマート・ドットという女性が「男手ひとつで自分たちを育ててくれた父に感謝する日を作りたい」と教会に嘆願したのがその始まり。正式な国家記念日になるまでには約63年かかったのだ。
父の日の時期や祝い方は国によってさまざまであり、中には日本ではあまり馴染みのない習慣もあり、その多様な祝い方に驚かされることも少なくない。
たとえば台湾は「パパ(88)」の語呂にちなんだ8月8日、ドイツはキリスト昇天祭にあわせた月中旬頃、イタリアやスペインでは3月19日の「聖ヨセフの日」に祝うなど、地域色が色濃く表れる。
祝い方も多様だ。日本では、黄色いバラやヒマワリが一般的で、手紙や実用品の贈り物が定番だが、元祖アメリカ(日本と同じく6月の第3日曜日)では子どもが朝食を作って父親に感謝を伝えバラを贈る。
カナダでは花やネクタイなどのギフトをお父さんに贈るほか、家族みんなでアウトドアを楽しむという習慣も。
オーストラリアでは家族みんなでバーベキューをするなど、アウトドアを楽しむ日として定着している。
ドイツでは父親たちが仮装してビール片手に練り歩く「男の祭典」となっており、台湾や香港では家族での食事会が中心だ。韓国では「父母の日」に合同で祝う文化があり、官民挙げたセレモニーも開かれる。
このように、世界各国の父の日は宗教観や歴史によってさまざま。どんな形であれ、感謝の気持ちが父に届くことが、この日のいちばんの目的だ。
ちなみに筆者は、父親好物のビールを片手に父の家を訪ね、終始掃除に明け暮れて帰路に着いた。言葉よりも、行動で示す日になった。
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