このところ中国各地で、休暇削減やスマホ没収といった「小さなきっかけ」から大規模な学生抗議が相次いでいる。専門家は「各地で噴き出す怒りは中国社会が限界に近づきつつあることを示している」と警鐘を鳴らす。
9月7日夜には、広東省の江南理工高級技工学校と貴州省の威寧中等職業学校で、数千人規模の学生抗議が同時に勃発した。停電や劣悪な宿舎環境、スマホ没収といった校内の圧迫が導火線となり、校舎を怒号と火の手が包んだ。その衝撃が冷めやらぬ中、今度は河北省の寄宿制中学で数百人の生徒が深夜に蜂起し、休暇削減への怒りを爆発させた。
河北・遵化市の寄宿舎では、9月11日午後10時すぎ、普段なら静まり返るはずの廊下に突然「返せ!休みを返せ!」「ふざけるな学校!」といった叫びが響き渡った。怒号に拍手がわき、口笛が鋭く突き抜ける。窓から突き出された無数のスマホの光が一斉に揺れ、抗議の意思を示す波となって夜空を震わせ、校舎全体を包み込んだ。教師の制止も空しく、学生たちは閉ざされた扉を揺さぶり、一時は制御不能の状態に陥った。一夜の抗議の後、学校側は慌てて妥協し、従来の制度に戻すと発表した。
こうした光景は、もはや一地方の突発的な出来事ではない。各地で相次ぐ蜂起のきっかけはいずれも小さな圧迫にすぎないが、積もりに積もった不満が一夜で爆発する構図は共通している。
中国において、寄宿舎という名の「教育施設」は、子供たちから自由や家族のぬくもりを奪い、徹底的に管理する場と化している。各地で相次ぐ抗議は、教育現場の歪みがついに噴き出している証拠である。
社会全体が圧力鍋のように熱を帯びる中、次に火を噴くのはどこか。学校に響いた怒号は、爆発寸前の社会を告げる兆しとなっている。

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