トランプ大統領はアメリカが現在、麻薬カルテルとの武力衝突状態にあると発表。カルテルはテロ組織に指定され、アメリカ軍はカリブ海で軍事行動を強化。違法薬物の流入阻止や国民保護のため、今後も対策が進められる見通しだ。
トランプ政権が10月2日に連邦議会に提出した覚書によれば、トランプ大統領は「アメリカは現在、麻薬カルテルと国際紛争に該当しない武力衝突の状態にある」と発表した。政府当局者は、すでに麻薬カルテルを「テロ組織」として指定している。
覚書は次のように指摘する。「大統領がこれらの行動を指示したのは、アメリカ国民およびアメリカの海外における利益を保護する責任を果たすためであり、かつ最高司令官ならびにアメリカ大統領として外交を処理する憲法上の権限に基づき、アメリカの国家安全保障と外交政策上の利益を推進するためである」
また、覚書は「麻薬カルテルは毎年、違法活動を通じて数万人のアメリカ市民の命を奪っている」と強調した。
さらに「友好国がこれらの組織と戦うために多大な努力をしてきたにもかかわらず、組織は国際的な性格を強め、高度に組織化されたカルテルとして西半球全体で攻撃を続けている」とし、「大統領はこれらの麻薬組織を非政府の武装団体と認定し、テロ組織に指定するとともに、その行為がアメリカに対する武力攻撃に該当すると判断した」と記載している。
さらに覚書は「大統領は戦争省(国防総省)に対し、武力紛争法に基づく行動を取るよう指示した」と明記した上で、「アメリカは現在、重大な局面にあり、これらのテロ組織による継続的な攻撃から自国を防衛し、同盟国や他者を守るために武力を行使しなければならない」としている。
トランプ大統領はカリブ海における軍事力を強化することを表明し、すでにアメリカ軍を投入して麻薬カルテルを攻撃し、違法薬物のアメリカ国内流入阻止に取り組んでいる。
今年8月、トランプ大統領は複数のアメリカ海軍ミサイル駆逐艦を派遣することを承認し、同地域での麻薬対策を強化した。アメリカ軍は先月、カリブ海において麻薬密輸が疑われる船舶に対し3度の攻撃を実施し、そのうち少なくとも2度はベネズエラ籍の船舶が標的となった。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。