中国・海南省にある、スマートフォン大手・シャオミ(小米)の専門店で、なんとも気まずい瞬間が撮影された。
店員が来店客の前で、自社スマートフォンの売りである「耐落下性能」を実演してみせた。
スマートフォンを胸の高さまで持ち上げ、画面を下に向けて、そのまま落とした。
結果は、一瞬だった。
落とした瞬間 すべてが終わった。
床に当たったスマートフォンは、乾いた音を立てて止まった。
拾い上げた店員の動きも止まった。
そして画面には、左下からきれいに広がるヒビ。
耐落下性能の説明は、ここで終了した。
1月26日に撮影されたとされる10秒足らずの映像は、瞬く間に拡散され、トレンド入りした。
「これは展示ではなく公開セルフ検証」
「その場で信用が砕けた」
「高さが高すぎる、床が硬すぎる、問題は店にない」
「最も正直な製品テスト」
といった皮肉や揶揄の声が、ネット上では相次いだ。
中でも特に多くの反応を集めたのが、シャオミ創業者の雷軍氏になったつもりで、言いそうな一言を書き込んだものだった。
「自分は言ってみただけだ。まさか本当に落とすとは……あの店員クビだ。」
宣伝は強気
シャオミは高価格帯モデルを中心に、スマートフォンの耐落下性能を売りにしてきた。
宣伝では「数倍から十倍向上」とうたうが、何と比べて何倍なのかは書かれていない。
公式サイトには、実験環境では高さ約2メートルの落下に耐え、人の体重に相当する荷重にも耐えられるとある。
だが専門家は指摘する。
耐落下試験は管理された環境で行われ、店頭や家庭の床とは条件が大きく異なる。
つまり、耐落下性能とは「割れない」という意味ではない。
あくまで「割れにくい」という相対的な話にすぎない。
角度が悪ければ割れる。
床が硬ければ割れる。
運が悪ければ、やはり割れる。
それでも宣伝を読めば、つい「落としても割れない」と思ってしまう。
そして今回、宣伝文句より先に、床が勝った。
現在、シャオミ側からこの件について公式な説明は出ていない。
ただ一つ確かなのは、自社の宣伝を一番信じていたのは、来店客の前で実演した店員本人だった可能性が高いということだ。
そして、このわずか10秒の映像が、多くの人に「宣伝をどこまで信じるべきか」を考えさせたという事実だけが、静かに残った。
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