急成長する中国ロボット産業 76%が海外技術に依存

2026/09/01
更新: 2026/09/01

中国共産党(中共)の支援策を背景に、中国ではロボット関連企業が急増する一方、業界内の競争も激化している。ファーウェイの元幹部で、深圳カイホンデジタル産業発展有限公司の最高経営責任者(CEO)を務める王成録氏によると、中国製ロボットの76%が依然として、ロボット開発に広く使われる海外発のオープンソース基盤「ROS」に依存しており、中核アルゴリズムの国産化率も40%に満たないという。

鳳凰網が8月30日に掲載したインタビューで、王氏は中国製ロボットの海外技術への依存について、「単なる技術選択の問題ではなく、産業の基盤そのものに関わる」と指摘した。

王氏によると、ROSは「Robot OS」という名称ではあるものの、完全なOSではなく、Linux((リナックス)カーネル上で動作するミドルウェア(ソフトウェアの種類の一つで、オペレーティングシステム (OS)とアプリケーションソフトの中間の位置)だ。

つまり、中国の多くのロボット企業が利用しているのは、外部のOS上で動くミドルウェアにすぎない。基盤にLinux、その上にROSがあり、さらにその上で各社のアプリケーションが動いている。技術基盤の中核を自前で握れていないのが現状だ。

王氏は、こうした依存によって「技術方式が細分化し、各社が独自に開発して互換性がなくなっている」と指摘した。各社がROSを土台に個別開発を進めているため、同じような作業を繰り返しながらも、業界全体の技術蓄積につながっていない。

公開情報によると、王氏は1998年にハルビン工業大学で博士号を取得した後、ファーウェイに入社した。コアネットワーク製品部門の総裁や中央ソフトウェア院総裁などを歴任し、ファーウェイ独自の基本ソフト、HarmonyOS(鴻蒙)の開発にも携わった。2022年5月、消費者向け事業部門のソフトウェア部総裁を退任し、24年間勤務したファーウェイを離れた。

現在、中共はロボットと、それを動かすAIモデルの世界市場でアメリカとの主導権争いを進めている。関連する支援策を受け、中国のロボット企業数は2020年から2024年にかけて3倍以上に増えた。

ロボットはすでにダンスやカンフー、ボクシングなどの動きを披露できるようになったが、業界関係者からは、精度が十分でないことや、長時間の安定稼働が難しいこと、作業環境が変わると成功率が大きく低下することなどが課題として挙げられている。

宇樹科技の創業者、王興興氏は8月20日、2026世界ロボット大会に出席した際、現在のロボットは一部の単純作業をこなせても、効率は依然として人間を下回ると認めた。

決まった環境で十分に学習させれば、作業の成功率は100%近くまで高められるものの、扱う物を変えたり、環境を少し変えたりするだけで成功率は大幅に低下するという。全体的な効率や性能がまだ十分ではないため、宇樹科技は大規模な普及には踏み切っていない。

中国初のオープンソース財団「開放原子開源基金会」の謝少鋒理事長も、現在の業界では各社が異なる技術方式を採用し、共通規格も整っていないと指摘した。

メーカーごとにセンサー構成や動作の定義、データ形式が異なるため、企業は機器ごとの調整や動作検証を繰り返す必要がある。また、高いコストをかけて集めたデータも、別の機器や作業には再利用しにくいという。

一方、人型ロボットが実際にどこまで活用できるのか疑問視する専門家もいる。

シンガポール国立大学のハロルド・ソー博士はBBCに対し、ロボットが家庭で実用的に使えるようになるまでには、まだ数年かかるとの見方を示した。企業は今後、バッテリーの持続時間やプライバシー保護、信頼性などの課題を解決する必要があるという。

任義