「中国との統一に賛成するか」。台湾人にとって極めて敏感な政治問題を、まさか観光旅行中に突然、答えを求められるとは、誰が想像しただろうか。
中国のチベットを訪れた台湾人看護師が、ホテルで突然、国家安全当局の関係者から政治的な立場を探られた。台湾の中央通信社の取材で明かした。
看護師の林さんはホテル到着直後、ガイドに呼び出され、空き部屋のベランダで男女3人から約1時間にわたり質問を受けた。相手は身分を明かさなかったが、後に国家安全当局の関係者だったと知ったという。
相手は雑談のような雰囲気をつくりながら、仕事や給料、家族、兵役経験、支持政党、選挙での投票行動などを詳しく尋ねた。
さらに「台湾人はなぜ日本旅行が好きなのか」「アメリカは好きか」「給料を上げたら中国との統一に賛成するか」とまで聞かれた。
林さんが中国の欠点として「自由が少ない」と答え、今回の質問を例に挙げると、相手は不機嫌になったという。
同じツアーの8人のうち、看護師2人と航空機整備士1人の計3人が別々に呼び出された。林さんは相手の反応を見ながら、慎重に言葉を選ばなければならなかったと振り返る。
台湾当局は9月末にも、軍病院で働いた経験のある看護師がチベット旅行中に当局から質問を受けた事例を公表している。
普段は政治の話をほとんどしない林さん。まさか自分が目を付けられるとは思わなかったという。今回の質問は、台湾人の本音を探り、考え方を変えさせるためだったのではないかと感じている。しばらくは中国旅行を控えるつもりだ。
「中国との統一に賛成するか」。美しいチベットの風景を楽しむはずの旅が、こんな質問を受ける旅になるとは。なんとも気の毒な話だ。
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