四川省で6月14日、キリスト教の礼拝中だった教会の集まりに警察官ら約60人が押し入り、子供をを含む33人の教会関係者を一斉に連行した。
現場となったのは、成都市を拠点とする独立系キリスト教会「秋雨聖約教会」の集会だ。参加者たちは四川省江油市のホテルで礼拝を行っていたところ、突然、大勢の警察や政府関係者が取り囲み、少なくとも2人の教会の責任者を行政拘留した。
現場にいた民主活動家の陳雲飛氏は本紙に対し、参加者たちは法的根拠を示す文書の提示を求めたものの、警察は最後まで応じなかったと訴えた。参加者らが法的手続きがないことに異議を唱えると、警察は屋外へ連れ出して地面に座らせ、飲み水まで取り上げた。
陳氏自身も警察から暴行を受けたと訴えている。頭を力任せに壁へ打ち付けられて耳から出血したほか、7~8時間にわたって後ろ手に手錠をかけられ、「今も痛みがひどく、両腕を回すことができない」という。
さらに、食事や飲み水、トイレまで制限され、現場での写真撮影も禁じられた。また、警察は参加者らに妥協書への署名も迫った。

なぜ、この教会は繰り返し標的になるのか。
中国では宗教活動そのものは禁止していない。しかし、それは共産党の管理下に入ることが事実上の前提となっている。
秋雨聖約教会が長年弾圧を受けてきた理由の一つも、共産党が運営する公認教会「三自教会」への参加を拒み続けていることにある。教会側は「神を信じるのであって、党を崇拝するわけではない」との立場を貫いてきた。
同教会は2008年に王怡牧師が創設した。2018年には大規模な摘発が行われ、王氏は「国家政権転覆扇動罪」や「違法経営罪」などで懲役9年の判決を受けた。
さらに2026年1月にも大規模な拘束や取り調べが行われ、現在も複数の教会関係者が身柄を拘束されている。
神を選ぶか、党を選ぶか。信仰を貫いて弾圧を受けるか、党の管理下に置かれることを受け入れて平穏に暮らすか。中国では今も、多くのキリスト教徒がその二者択一を迫られている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。