目の見えない一人の少年が、いま中国中に希望を届けている。
13年前、6歳だった少年は凄惨な事件によって視力を失った。しかし13年後、努力を積み重ね、障害者向け大学入試で全国1位という快挙を成し遂げた。
ここにあるのは、単なる感動的な受験の成功物語ではない。人生は逆境からでもやり直せることを教えてくれる物語である。
奪われた光
中国メディアによると、2013年8月、中国・山西省太原市で当時6歳だった郭斌(グオ・ビン)くんは、自宅近くで遊んでいたところを見知らぬ女に誘われ、人気のない野外へ連れ去られた。そこで両目を鋭利な刃物のようなもので傷つけられ、眼球に回復不能な損傷を負った。命は助かったものの、二度と光を見ることはできなくなった。
両親が発見した時、郭君は全身血まみれで瀕死の状態だった。
病院で目を覚ました郭君は、「どうして朝にならないの?(天怎麼還不亮?)」と尋ねた。まだ自分が視力を失ったことを知らなかったのである。その一言は中国中の人々の胸を締め付け、「2013年で最も切ない一言」とも語り継がれている。
事件後、郭ちゃんは香港の眼科医の支援を受け、義眼球と義眼片を装着したことで、見た目は健常者と変わらないほどになった。その後、感知訓練を受け、一部の光や影を判別できるようになった。
その後、盲学校に入学し、小学校から高校まで学び続けた。2024年には「将来は医療を学び、自分も人を助ける側になりたい」と夢を語っていたという。
そして今年発表の全国障害者向け大学入試(特別支援教育向け大学入試)の結果、郭さんは800点満点中721点という優秀な成績で長春大学に合格した。コンピューター科学・技術と中医学のダブル専攻に進学し、同専攻では全国1位の成績を収めた。
このニュースは中国のSNSで瞬く間に拡散され、トレンド入りするなど、大きな反響を呼んだ。
全国を震撼させた事件から13年。かつて多くの人が将来を案じた少年は、今度は希望を届ける存在となった。
人生には、自分では避けられない苦しみや悲しみが訪れることがある。それでも、未来まで失われるわけではない。郭さんの歩みは、努力を続ける限り、人は何度でも前を向いて歩き出せることを静かに教えてくれている。
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