中国における強制臓器摘出問題を取り上げたドキュメンタリー映画『国家の臓器(STATE ORGANS)』の上映会と、カナダの国際人権弁護士デービッド・マタス氏による講演会が、福岡市と広島市で行われる。主催はSMGネットワーク(中国における臓器移植を考える会)
作品は、中国共産党(中共)による弾圧の中で行方不明となった2人の法輪功学習者、張雲鶴氏と黄雄氏の家族が、20年間にわたって行方を追い続ける姿を描いており、息子を捜して陳情を重ねる父親や、弟の安否を案じ続ける兄の姿を通じ、中国の党、軍、医療機関が関与した組織的な臓器収奪問題に迫る内容となっている。
作品中には実際に臓器収奪に関与した元軍医や警察官、被害者家族、中国人医師らの証言があり、また公的統計や独立調査の分析も取り入れ、中国における強制臓器摘出の実態を検証している。
放送界の「ピューリッツァー賞」とも称されるピーボディ賞受賞歴を持つレイモンド・チャン監督が約7年をかけて制作したドキュメンタリー作品「国家の臓器」はレオ・アワードの最優秀監督賞、最優秀音楽賞やマンハッタン映画祭の最高人権ドキュメンタリー賞など、22以上の国際映画祭で受賞した。2025年の米アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門でも選考対象作品に選ばれている。
本作を鑑賞した、映画『めぐみへの誓い』の監督として知られる野伏翔監督は「映像表現と芸術性の両面で非常に完成度が高い」と評価している。医師や軍関係者の証言を映像化した制作過程にも言及し、「100万件の記事よりも、1本の映画の方が人々の記憶に残る」と、映像によって事実を伝える意義を強調している。
映画上映会は福岡がkino cinéma 天神で11月13日(金)、広島は広島弁護士会館3階大ホールで11月16日(月)上映される。福岡、広島とも午後6時30分に開演し(開場は福岡が午後6時20分、広島が午後6時00分)約76分の映画上映に続いて、マタス氏が約30分間の講演と質疑応答を行う。
強制臓器摘出問題を調査したデービッド・マタス氏が登壇

上映後に登壇するデービッド・マタス氏はカナダを拠点に活動する国際人権弁護士で、長年にわたって中国の強制臓器摘出問題を調査。2006年には中国における強制臓器摘出問題に関する独立調査報告書を公表し、この中国の生体臓器収奪の問題において、第一人者といえる人物だ。
2018年から2019年にかけてロンドンで開かれた、中国の臓器収奪問題を検証する民衆法廷「チャイナ・トリビューナル(China Tribunal)」でも、調査者として証言した。
今回の2都市の講演では、映画上映に続いて、中国の臓器移植問題について講演し、来場者からの質問にも応じる予定だ。
参加費は前売り1500円、当日2千円、学生1千円。購入フォームに必要事項を入力し、当日現金で支払うか(広島のみ)、クレジットカードを利用する場合は「teket(福岡、広島)」で購入できる。
概要は以下の通り。

国内でも問題提起 政治家や鑑賞者から反響
中国の強制臓器摘出問題を巡っては、映画の上映などを通じ、日本国内でも問題提起が続いている。

「国家の臓器」を見た日本保守党の北村晴男参院議員は、参議院議員会館で開かれた上映会で、中国の臓器移植を巡る実態を直視する必要性を訴えた。
北村氏は「やくざでも断るようなビジネスを展開している中国という国の実相を正面から見ていただきたい」と述べ、映画の鑑賞を呼びかけた。また、強制臓器摘出を巡る証拠について「現時点の証拠状況からすれば、私が裁判官なら有罪だと判断する」との見解を示した。
強制臓器摘出や渡航移植を巡っては、米国や欧州議会、台湾などで規制や関与者に対する制裁を目的とした法案の成立・可決が進んでおり、米上院が9月28日に全会一致で可決させた「法輪功および強制臓器摘出の被害者保護法案(Falun Gong and Victims of Forced Organ Harvesting Protection Act)」では、中国共産党(中共)政府による法輪功学習者やその他の良心の囚人からの生体臓器摘出を抑止し、処罰することを目的としている。
国際ポスター展も開催 世界70か国から1049点 受賞・入賞作品49点が展示

また中国の生体臓器収奪をテーマにした「生命・人権・臓器収奪」国際ポスターコンクール受賞作品展が堺市と広島市と金沢市で開催される。こちらは日本のSMGネットワーク、韓国の臓器移植倫理協会(KAEOT)、台湾の台湾國際器官移植關懷協會の3団体が共催する国際巡回展である。
世界70か国から寄せられた1049点の応募作品のうち、受賞・入賞した49点を展示する。
作品は、強制臓器摘出や全体主義体制下での人権侵害、生命の尊厳などをテーマに、各国のアーティストがこの臓器収奪という人権犯罪をポスターというアートで表現しており、未だかつてなかった犯罪をひと目で理解させるものだ。
具体的なスケジュールは以下の通り。

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