【大紀元日本12月19日】中国社会科学院は12月15日、「中国社会情勢分析および予測の白書」を発表し、今年の中国では地震と大雪で10兆人民元(約140兆円)の損失をもたらし、昨年の都市住民の収入は半減し、多くの企業は国際金融危機の影響により、工場関係では生産中止または半休業状態が続き、来年の就職は困難な局面を迎えると示した。
*就職難継続、失業激増
中国社会科学院社会学研究所の李ウェイ・博士は白書の発表記者会見で、来年の中国労働市場では供給過剰が続くとし、労働力は8百万人から1千万人に増加すると示した。その統計によると、中国の現在の失業率は実際にすでに10%を超えていると警告し、その内の85%が18歳から49歳の青年・成年だという。
また、白書をまとめた同研究所の李培林所長は、今年の大卒予定者560万人は年末までに約150万人が就職難に陥ると予測した。同研究所の陳光金副所長は中国の大卒の失業率は12%以上で、登録されている失業率の3倍も高いことを明らかにし、大学生の就職問題の重大性を指摘した。
中国人民大学社会学者・周孝正教授によると、大卒人数が最多になったのは、過去数年間で大学側が募集を拡大したためで、30年前は大学進学者は5%だったが、現在で25%であるという。周教授は、大学を出ても就職できないこととは、社会全体が癌に罹ったのと同じ状態であり、早期治療が急務だと警告した。周教授は、若者は長期にわたり就職できず、心理的障害が生じ、自殺や覚せい剤に手を染めるなど、社会に不安要素を与えてしまうと強調した。強いては農民労働者の仕事まで奪い合うことになり、連鎖的な社会問題を引き起こす恐れがあると指摘した。
周教授は、「今、5千万人の農民が土地を失い、約1400万ヘクタールの農地がすべて商業用地に変えられた。仮に、大卒が農民の働き口を奪うと、農地もない農民労働者たちは生活する術は一切なくなる。これは本当に重大な問題になる」と警告した。
清華大学政治経済学センターの蔡継明氏は、中国には1億2600万ヘクタールの農地があるが、平均にしてすべての農家に与えられるのが0・53ヘクタールの農地しかないことから、生計を立てるのは困難とした。蔡氏は、土地制度を改革し、土地の流通を加速させ、農民が都市に流入し、都市の住民として暮らせるようにすることが良い解決方法だと示した。蔡氏は、都市の第三産業の発展は必ず流入した農民たちに多くの就業機会を与えると強調した。
蔡氏は取材で、長期的視野からして、農民は大卒と就業を争うことにはならないとし、「今の学校の教育方針は完全に社会の需要に符合していないため、一時的に表れた現象だ。市場経済の要求に沿って学校側の教育方針の調整を行えば、この現象はなくなる」と指摘した。
*社会矛盾はテロリストを生む
前出の周孝正教授は、高い失業率がもたらす社会問題を過小評価してはならないとし、一部の社会学者はすでに警鐘をならしているとした。周教授は、日に日に激化する社会矛盾を解決しなければ、5年以内でテロリストが生まれると強調した。
周教授は、「われわれは今、口にするのは土地を失うこと。農民はまず土地を失ってから都市へ出稼ぎに行く。しかし、都市に行った農民は失業した。農民は土地を失ってから失業し、失業してから失望する。失望から絶望になる。問題は絶望である。絶望の次が恐怖になる。すなわち、人間爆弾であり、例えば、周囲の人を巻き添えにする飛び降り自殺など、無関係な者を道連れにする事件が頻発するだろう」と説明した。
中国社会科学院2009年社会白書は、就業や社会衝突、不動産価格、役人の不正や汚職などの腐敗問題に注目している。香港の文匯報はその調査を引用し、就業や収入問題のほか、社会集団の利益衝突、貧富の格差、官民間の対立が社会の衝突事件を引き起こす導火線になる可能性が大きいとし、中でも民衆の政府に対する最大の不満は、不動産価格と、政府の腐敗への不満、その処罰の甘さにあるという。
(翻訳編集・余靜)
(08/12/19 07:19)
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