中国の人身売買事情

2005/08/07
更新: 2005/08/07

【大紀元日本8月7日】中国各地で、赤ん坊人身売買が横行し、大きな社会問題になっている。中国警察当局の調査によると、特に女児が安く、需要が高いため、約8割を占めている。河南省の鉄道警察が公表したデータによると、今年上半期に54人の赤ん坊を売人から救い出したが、うち43人が女の子だったという。

VOAラジオ局の報道によると、警察が売人から赤ん坊を救出したと公表した直後、赤ん坊の里親になりたいという申し出が殺到したが、実の親は1人も名乗り出てこない。女児はほとんど、四川省、広東省、広西省、雲南省、貴州市など貧困農村部の出身。女児の売買価格は5-8千元、男子は1.5-3万元(1元=14円)であるが、女児に対する需要が多いという。

「1人っ子政策」が原因の1つ

専門家の分析では「中国貧困農村部では、男の子を重んじる風習があるため、多くの農民は、男の子が生まれるまで秘密出産し続けている。そのため、多くの女の子が生まれ、厳しい当局の罰則から逃れるために、親らは女児を遺棄または売り出すしかない」と分析している。人口統計学者は、中国農村部で、約30%の家庭が女の子を政策外に秘密出産したことがあって、1000万人以上の女児が、戸籍に登録されていないと推定されている。

女児の買い手は農民

中国の人口計画生育委員会は、中国2020年までに、3000万人から4000万人の中国青年男子は、各種の理由で結婚相手が見つからないと警告している。一部の貧困地域の農民は、将来息子の嫁を迎え入れる時の高額礼金を節約するために、女児を小さいときから買い付け、成人したら息子と結婚させると考えている。こういう現象も人身売買を助長させた社会問題の一つである。

中国当局の厳しい関連規制による弊害か

児童慈善機関「希望国際」の北京事務所代表は、「中国国内では、普通の家庭が子供を養子にするための国の規制がとても厳しく、一部の人は子供の欲しさに、危険を犯しても、闇市場から赤ん坊を入手することを思いついたのでは」と分析し、赤ん坊の人身売買を根絶させるために、中国民政部門は関連規制の緩和が必要であると当局に呼びかけた。

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