中国:胡総書記訪米を機に法輪功学習者2人を早期釈放

2005/08/30
更新: 2005/08/30

【大紀元日本8月30日】北京の著名弁護士・高智晟は去年12月、人民代表大会呉邦国委員長に公開書簡を送り、河北省石家荘市の法輪功学習者・黄偉夫妻の釈放を求めた。黄夫妻はこのほど釈放されたという。胡錦涛総書記が訪米する直前に行われたこの釈放は、米に対して国内人権状況の改善をアピールし、米の非難を避けたいという中共の思惑が見え隠れていると専門家らは見ている。VOAが伝えた。

VOAの報道によると、河北省石家荘市に勤務していた黄偉さん(37)は、当局から法輪功の放棄を強要されたのを拒否したため、1999年から2度も労働教養所に監禁された。妻のカク秋艶さん(34)は夫の無実を晴らすために、社会に支援を求め続けたが、今年初めに河北省法制教育センター(刑務所に相当する)に監禁された。

黄偉さん夫妻の代理人を務めた高智晟弁護士は、2004年12月末に、黄偉さんの釈放を求める公開状を全国人民代表大会に送った。高弁護士は公開状の中で黄偉さんが法輪功学習者であるがゆえに受けた非人道的な処遇を紹介し、法輪功の問題を法律に遵守して議論すべきだと呼びかけた。しかし、一切の回答を得られなかったという。

高智晟弁護士の公開状に、国内外の多くの人から支援が寄せられた。中国民間の「公民維権ネット」は2004年末に高智晟弁護士の全国人民代表大会宛ての公開状を掲載し、国内外から300人以上の署名を得たという。

高智晟弁護士は、中国の労働教養制度および法輪功に対する弾圧が違法行為であると批判し、黄偉さん夫妻の早期釈放に安堵の表情を見せた。高弁護士は、黄偉さん夫妻の早期釈放は、地方政府の態度の変化によるものとは考えにくく、胡錦涛総書記の訪米に関連しているのではないかと推測している。これまでも、中共は重大な外交事件の直前に、国内の人権問題に対する非難を避けるために、民主運動活動家らを釈放してきた。今回も同じ意図で二人を釈放したのではないかと専門家らは見ている。

また、高智晟弁護士の公開状に支援を送った「公民維権ネット」サイト責任者の李健氏は、黄偉さん夫妻の早期釈放は、民間の力が大きな役割を果たしたとの見解を示した。

現在、釈放された黄偉さんは高血圧を患い、カク秋艶さんも衰弱しているという。親族らは出所の手続きを進めているが、各方面からの圧力もあり、メディアへのコメントは控えている。

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