中共スパイ工作:国際社会が強い関心、米政府機関・議員ら、情報提供呼びかけ

2007/06/25
更新: 2007/06/25

【大紀元日本6月25日】中国在外公館に中国人留学生スパイ工作に就かせる専門の担当者がいることや、スパイ活動にかかるすべての経費は在外公館が提供していることなどの事実がこのほど浮き彫りになり、国際社会は強い関心を寄せている。米国ではFBIが中共スパイを監視しているほか、議会議員が米民衆や情報を知る華人に対して、情報提供を呼びかけている。

*中国人留学生親睦会などの華人団体、中共スパイ組織と指摘された

中国共産党(中共)のスパイを監視するFBI関係者は本紙に対し、多くの華人団体は中国政府の援助資金を受けて、中共の政治活動を行っている。すなわち、中共政権の在外エージェントであると指摘した。しかし、一般的に、こうしたエージェントは合法的な登録手続きを済ませ、米国の法律の監督管理を受けなければならないが、中共に制御された中国人留学生親睦会、華人団体などはそのような手続きは済ませていないと指摘した。

中国指導者が海外訪問する際、中国在外公館は留学生親睦会のリーダーに対し、大きいサイズの赤旗や横断幕、高音のスピーカーを使って、抗議する人々を遮ったり、抗議のスローガンを打ち消すよう命じているという。多くの留学生は真実が分かっていない(AFP)

この件について米議会議員も注目しており、FBIや議会への情報提供を呼びかけている。ここ数年、米ワシントンDC、ニューヨーク、シカゴなどに在住の人権活動家、弁護士、大学教授、コンピュータ専門家など各界人士は、米FBIなどへ情報提供しており、その内、すでに一部が立件され調査が行われているという。

ワシントンDCに在住する王教授は、本紙記者に対して、特に台湾問題が取り上げられている時期に、中国指導者が訪米する際、中国人留学生親睦会や親中華僑団体にいるスパイの活動がより盛んになり、中国を擁護する言葉で宣伝し、デマを飛ばしかく乱するという。

*スパイ組織に化した中国人留学生親睦会

ニューヨークにある中国在外公館の指図を受けたニューヨーク大学(NYU)の中国人留学生親睦会が、中国の真相情報を伝える新唐人テレビ局主催の「世界中国舞踊大会」の同大学での開催を妨害するため、開催反対の署名付き公開状と署名サイトのリンクを中国の新華社ネットのトップページに掲載した。こうした手口は、まさにニューヨーク大学留学生親睦会にスパイが暗躍している事情を如実に物語っている。

新唐人テレビ局関係者によると、新唐人テレビ局主催の「世界中国舞踊大会」は、中国外交部の「弾圧」政策の重要対象とされている。「弾圧」行動の前半は、中国当局統括下のKネットサイトによるでっち上げから始まる。Kネットサイトは中共の国安スパイ系統と直結し、「世界中国舞踊大会」の内部情報やトップ指示などに関するでっち上げの中傷記事を発表したという。

通報によると、会員が最も多く、歴史が最も長い中国人留学生団体と自称するニューヨーク大学中国人留学生親睦会は、中国の在外公館に操られており、中国在外公館の権力領域を超えた海外政治弾圧活動の団体は、表向きの名称は何であろうと、実際は、中共の「スパイ組織」である。このスパイ組織を有効的にコントロールするために、中共工作員の経験者がもっとも信頼できる。さらに、内幕をよく知り、秘密を厳守できる留学生親睦会の核心人物、すなわち、親睦会の主席にスパイが配置される。これに関して、その他の留学生メンバーは知らずに、殆どが騙されている。

*中共在外公館からの資金援助を受ける留学生リーダー

情報を熟知する関係者によると、コロンビア大学は中共領事館海外勢力を培う重点場所であるという。留学生親睦会は重大な政治任務を担っているという。人権活動家・魏京生氏の監視監督も行っていたという。留学生親睦会の資金は秘密裏に領事館からの入金である。親睦会の主・副主席はそれぞれ別々に領事館へ報告し、報告内容の正確さおよび忠誠心を測るために、2人の報告内容を照合するという。

情報によると、8年前に米国の中国在外公館は、コロンビア大学留学生親睦会の主席と副主席に対して、奨励金として、個人用クレジットカード口座に、それぞれ毎月3000米ドル(約37万円)、1500米ドル(約18万円)の入金を行っているという。これらのことは一般の学生には公開されない。

これらのスパイは帰国後、海外で獲得した政治資金で官途に就く。海外に留まった場合、西側社会に潜入し中共の情報活動に就く。

*中共在外公館、華僑団体を利益でスパイに誘惑

海外華人をコントロールするために、中国在外公館は海外華人の中からスパイを育成する。その手法として、金銭や福利で誘惑したり、職権で制御したりする場合もある。ニューヨークで旅券取得代理の業務を口実に、大量の政治庇護亡命者の制御に成功した。

米本土(入国税関を含む)で政治庇護を申請する者には、審査が行われる。中国大陸からの多くは、国内でまず捏造し申請した書類で旅券を取得し、米国に入国して通関する前にすべての身分証明書類を処分し、税関で政治庇護を申請する(捏造の書類であることが見つければ、政治庇護はできなくなる)。この場合、米政府から旅券の提出が要求されるため、申請者たちは中国領事館へ旅券の申請を行う。領事館もそのまま獲物をゲットするという。

かつて中共スパイだった米大学留学生親睦会のある幹部は、領事館から中共に忠誠を誓わなければ、ビザは発行しないと脅かされたため、全員が中共の言いなりになったという。彼らは中共在外公館に操られ、歓迎グループや破壊工作を行う手先となり、情報活動などに使われていると強調した。

*親中華僑団体もスパイ機構に

海外在住の華人に対しては、中国在外公館は、中国国内のビジネス、親族を訪問する際などに便宜を与え、華人団体を牛耳る。従って、そうした団体は、海外で中共の政治目的を実行するスパイ機関と言える。多くの人は中共に対して好感を持っていないが、中国国内との付き合いがあるため、意に反して中共に従わざるを得ない。一方、親中団体のリーダーの多くは、中共より利益を得て、利害関係を捨てきれず、ますます関係を深める者もいる。

情報筋によると、米議会議員は米国内における、中共の華人に対する諜報工作を制約するために、各方面の情報収集が必要であると提案した。一方、米FBIは、中共による大量のスパイ養成が米国の自由社会にとって脅威であるとし、深刻な事態であることを懸念している。一部の重要人物は米関係部門の監視を受けており、中国在外公館関係者と密に交流する者は米国における信頼度が疑われるため、米国内で成功するチャンスは少ないという。

情報筋によると、これら中共のスパイになった華僑団体リーダーや、表向きでは「華僑団体」と称する中共スパイ機関は、米議会議員およびFBIなど関連部門はすでに重大な関心を寄せているという。

(記者・任百鳴)

http://epochtimes.com/b5/7/6/21/n1750560.htm
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