大紀元時報

米、対ロ核軍縮条約破棄通告 「違反是正なければ」6カ月後に失効

2019年02月02日 10時00分

[ワシントン 1日 ロイター] - トランプ米政権は1日、ロシアと結んでいる中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を表明した。破棄通告は2日付けで、ロシアが違反を是正しなければ条約は6カ月後に失効する。ポンペオ米国務長官が記者会見で発表した。

INF廃棄条約は1987年に、欧州で地上配備型中・短距離核ミサイルの開発や配備を禁じたものだ。

ポンペオ国務長官は「ロシアは偽りのない、立証可能な形で順守に向けた行動をとることを拒んでいる」と述べた。

米政権高官によると米国は2日にロシアに対して、INF廃棄条約を破棄する意向を書簡で通告する。ロシアには条約に順守する「最後のチャンス」を与えるとした上で、米国が圧力をかける中でもロシアは行動を改める姿勢を示さないと語った。

米ロ間では「新戦略兵器削減条約」(新START)が2021年2月に期限を迎える。政府高官によると新STARTの延長を追求するかどうかについて省庁間協議が始まったと述べた。

米国は、ロシアの新しい巡航ミサイル「9M729」が条約に違反していると主張する。ロシアは9M729の射程距離が条約の範囲外だと反論。米国が新たなミサイルを開発するため条約から離脱することを望んでおり、条約失効の口実を作り上げていると批判した。ロシアはまた、米国が求める該当ミサイルの廃棄も拒否している。

ロシアのペスコフ大統領報道官は1日、米国が協議に前向きでないと記者団に話した。

ポンペオ氏が米国の意向を発表する数時間前に北大西洋条約機構(NATO)は声明で、米国の破棄通告を「全面的に支持する」とした。

一部の専門家は、INF条約の失効によって、他の軍縮条約にも悪影響が及び、国際社会で軍拡が進むとの見方を示している。

欧州当局者らは特に、INF失効に懸念を示している。欧州が再び、米国とロシアの中距離ミサイルの舞台と化すとの不安だ。ポンペオ氏の発表前にドイツのメルケル首相は、条約失効までの6カ月を利用して協議を続ける重要性を主張した。「ロシアが条約違反したことは明白だ」と述べ、「対話の機会を常に失わないことが重要だ」と主張した。

米上院外交委員会民主党筆頭理事を務めるメネンデス議員は、トランプ氏が軍縮協定の重要性を理解しておらず、核拡散を防ぐためのより広範な戦略がないことを批判した。「今日の破棄表明はプーチン大統領にとってまた一つ、地政学的戦略上の贈り物となった」と述べた。

トランプ大統領は声明で、「ロシアと軍縮を巡る交渉を行う用意がある。そして重要なこととして、もしかしたら歴史上初めて、経済、通商、政治、軍事面で傑出した関係を築ける可能性がある」と表明。ロシアが軍縮で譲歩する姿勢を示せば、関係は大幅に改善する可能性があることを示唆した。

トランプ大統領はその後、ホワイトハウスで記者団に対し、新たな軍縮条約の締結に向けた協議に前向きな姿勢を示した。

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