大紀元時報

フィリピン国防相「米国は南シナ海の安定への力」

2021年02月19日 06時00分
2018年6月3日、シンガポールで開催されたIISSシャングリラダイアログ第17回アジア安全保障サミットで、フィリピンのデルフィン・ロレンザナ国防長官が演説(NICHOLAS YEO/AFP via Getty Images)。
2018年6月3日、シンガポールで開催されたIISSシャングリラダイアログ第17回アジア安全保障サミットで、フィリピンのデルフィン・ロレンザナ国防長官が演説(NICHOLAS YEO/AFP via Getty Images)。

2021年1月下旬、フィリピン国防相は紛争が発生している南シナ海とインド太平洋地域にとって米国は「安定化への力」であり、フィリピン政府は米比関係の「新時代」の展望は明るいと考えていると述べた。

デルフィン・ロレンザーナ比国防相の発言によると、フィリピン政府は今後も独自の外交政策を追求する可能性が高いが、米国新政権との取引を通じて数十年にわたる米国との友好関係を推進する構えである。

フィリピン外国人特派員協会(FOCAP)年次会議の講演で、ロレンザーナ国防相は、「さまざまな分野において既存の関係が確立されているという理由だけでなく、南シナ海における領有権紛争を平和的に解決するためにも引き続き中国とも協力を図っていく必要がある」とし、「また、当国はインド太平洋地域の安定化力および中国への平衡力としての米国の役割に注目している」と話している。

中国は自国が地図上に引いた「九段線」に基づき南シナ海の大部分の領有権を主張しているが、これについては常設仲裁裁判所により無効との裁定が言い渡されている。

現在、ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムというインド太平洋諸国6ヵ国が中国の主張と重複する水域の領有権や海上境界線を訴えている。南シナ海領有権紛争に関しては、インドネシアは不関与の姿勢を取っているが中国政府はインドネシアの排他的経済水域の一部の水路について歴史的権利を主張している。

同国防相の発言によると、2021年1月20日に発足したジョー・バイデン政権下でフィリピンは米国とより強力な軍事関係を構築することを望んでいる。

同国防相は、「2021年は世界における米国の指導力の立て直しを目標として掲げた米国の新大統領率いる政権下で新たな米比関係が構築されると期待している」とし、「バラク・オバマ(Barack Obama)政権が掲げた『アジアへの中心軸移動(アジアへのピボット)』戦略をバイデン政権が復活させると考えられていることから、そうなればインド・アジア太平洋地域における米国同盟国の1つであるフィリピンはその恩恵を受ける可能性がある」と述べている。

2016年に就任したロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)比大統領により、長く同盟関係にあった米国から中国寄りへとフィリピンの外交政策が変化した。中国に対してフィリピンが常設仲裁裁判所に申し立てた仲裁裁判でフィリピン側に有利な「南シナ海判決」が下された後も、ドゥテルテ大統領は中国政府との関係修復策を打ち出してきた。

しかし、2020年後半には方向を転じ、同大統領は国連総会の一般討論演説で、同水域に関する仲裁裁判所の判決を無視する行為は受け入れないとして、中国の行為を批判している。

今年ソン・キム(Sung Kim)東アジア・太平洋担当米国務次官補が現職に就いたことで、ドゥテルテ大統領は米国政府がフィリピンに対する「理解を深化」することを期待していると発言している。キム(Sung Kim)米国務次官補は駐フィリピン米大使を務めた経歴があり、米比同盟は民主的方法で物事に取り組むことへの共通の意識に根ざしていると発言している。

この発言がなされたのは、中国政府が領土と見なす海域を航行する外国船舶に対して、中国海警局が武力行使および発砲することを許可する海警法が中国で成立した1週間後のことである。同法に関しては、フィリピン外務省も速やかに外交抗議を行っている。

中国で同法案が成立した翌日、米国は海軍の空母打撃群を南シナ海に派遣した。

フィリピン外国人特派員協会の講演における駐米フィリピン大使の発言によると、新たに就任したアントニー・ブリンケン米国務長官からフィリピン政府は支持の確約を得ている。ホセ・マヌエル・ロムアルデス駐米フィリピン大使が語ったところでは、ブリンケン米国務長官は「中国の領有権主張に対する懸念がある限り、米国は前政権の立場を引き継ぎ、他の主権主張国を支持する」と述べている。

ブリンケン米国務長官の任務初日に行われた電話会談で、同国務長官とテオドロ・ロクシン・ジュニア比外相は同盟関係継続に対する相互の意思を再確認している。

ブリンケン国務長官が「フィリピンに対する武力攻撃が発生した場合は、米比相互防衛条約が適用される」と強調したと述べたロムアルデス駐米フィリピン大使は、「当国は米国が継続的に南シナ海に関する政策を強化していることを喜ばしく感じている」と語っている。

ブリンケン国務長官とロクシン・ジュニア外相は「自由で開かれたインド太平洋を維持する上で強力な米比同盟が不可欠である」ことに合意し、同国務長官は「両国の安保、および南シナ海を含め、太平洋におけるフィリピン軍や公用船・公用機に対する武力攻撃を明確に特定」する上で相互防衛条約が重要であることを強調している。

米国国務省のネッド・プライス報道官は、1982年の国連海洋法条約(海洋法に関する国際連合条約/UNCLOS)に基づき、中国政府は理不尽な範囲の海域の主権を要求しているという米国の立場を繰り返し述べた。

プライス報道官は、「ブリンケン国務長官は、中国の圧力に曝されている東南アジアの主権主張国を支持することを誓約した」とし、「ブリンケン国務長官とロクシン・ジュニア外相は、共通の戦略的利益と歴史、民主主義の価値観、そして強い人的な絆に基づく関係の継続的な構築に取り組む構えである」と語っている。

(Indo-Pacific Defense Forum)

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