大紀元時報

〈独占インタビュー〉山田宏参議院議員「人権侵害、世界がスクラムを組んで対応するべき」

2021年4月30日 07時00分
取材を受ける山田宏参議院議員。4月15日、参議院議員会館にて撮影(清雲/大紀元)
取材を受ける山田宏参議院議員。4月15日、参議院議員会館にて撮影(清雲/大紀元)

中国共産党によって自由が奪われた香港の状況や、ウイグル人ら少数民族や信仰者の弾圧について、主要国はすでに制裁措置を講じている。日本の人権外交は、旧来の支援型から制裁などの行動型への転換が求められている。大紀元はこのほど、日本の積極的な外交を推進する山田宏参議院議員に話を伺った。山田議員は、中国共産党の対日批判やプロパガンダにひるむことなく、日本は主要国と同様の制裁法を実施していく必要性があると述べた。

外交には対峙がつきもの 仲良しでいられるものではない

―山田議員は、日本は強い外交を推進したいとの考えをお持ちだ。現在と旧来の日本の外交について伺いたい。

日本は70数年前の敗戦後、日本は悪だとのプロパガンダに手足を縛られてきたが、国民は気づきつつある。強力な軍事力を持つ米国を同盟国に持つ日本は、平和のもとで経済だけの発展に集中できた。しかし、中国共産党による人権侵害、香港や台湾の状況を見ると、次は我が身という状況だ。外交は本来対峙する場面がでてくる。いつも仲良しでいられるというわけではない。

政府は(支援が中心の融和的な)旧路線を踏襲している。平和ボケから目覚めるべき時が来ている。「争いをやめよ」が長らく日本で優先されてきた。国を守るとか、海外の人々に心を寄せることが少なくなった。しかし、今日の中国共産党のやりかたに、日本人は怒り心頭だ。日本だけだと相手の策略にはまるので、必ず欧米と足並みをそろえる必要がある。

―中国の人権侵害を非難する国会決議を推進されている。決議には与野党すべての党の一致が必要だ。どんなことが困難になっているのか。

ウイグル、チベット、南モンゴル、香港での人権弾圧について具体的に明記した、厳しい非難決議を準備している。共産党を含めてすべての党の合意は取れているが、やはり新聞報道を見ると、中国に近いとされている公明党が消極的だと分かる。公明党にも、しっかりとこの決議案に加わってもらうよう努力しているところだ。

―日本ではまだ外国の人権侵害に対する決議案はなく、マグニツキー法もない。政府はどんな対策ができるのか。

政府は言葉で「深刻な懸念」を表明するにとどまっている。政府が他の自由主義諸国と同様に人権侵害者に対して制裁できるよう、法律を早期に成立させる必要がある。

中国は日本に対して罵詈雑言を含め言いたい放題だ。なぜ、日本は(懸念表明だけの)紳士的な振る舞いに留めなければならないのか。中国が(国際法など)ルールに従わなければ、日本は然るべき対策を取るべきだ。

経済制裁を課そうとする米国や欧州と違い、日本政府は中国側にも配慮して言葉だけで済まそうとしている。そうしていると、中国共産党政府は自由主義陣営のなかにくさびを打ち、分断の可能性を見出すと思う。米国や欧州諸国と団結して同様の措置をとることが、中国の人権抑圧をやめさせる一日も早い手段になるだろう。

―日本の外務省には、中国の人権問題について指摘すると、中国から歴史問題を指摘されるから直言を避けるとの考えがある。

そのようなものは気にする必要はない。我々としては、中国で行われている弾圧について、欧米諸国と足並みをそろえて、制裁を含めて対処のレベルを上げるべきだ。

国際世論をバックにしながら各国がスクラムを組んで対応することが、今の中国で起きている非文明的な人権抑圧に対して1日も早いストップをかけるために必要だ。中国共産党から非難されても動じる必要はない。これが中国国内の状況を変えていくと思う。

大紀元香港の印刷所襲撃事件 原始的で非文明的なやり方だ

―4月12日、香港大紀元の印刷工場に暴徒が侵入し、機械を破壊した。一昨年も同印刷所はガソリン放火事件が発生したが、当時の犯人はまだ捕まっていない。

民主主義社会にとって重要な言論の自由の元となる機械そのものを物理的に壊すことは、原始的で非文明的なやり方であり、言論弾圧だ。それぞれの言論機関に対して反発する人がいる。民主主義だから仕方ない。しかし、言論に対しては言論で対抗すべき。それが20世紀を超えた文明国家だ。暴力を持って言論を黙らせよう、消し去ろうとするのは18世紀、19世紀のような話だ。

警察が犯人を捕まえないのは、捕まえきれないのか、それとも捕まえようとしないのか。詳細は明らかになっていないが、警察と一体になっているかもしれない。(香港の現状から)そう言われても仕方がないと思う。

バイデン政権下 強化される日米同盟

―トランプ政権からバイデン政権に代わった。日米関係に変化はあるか。

対日態度の変化が心配された民主党バイデン政権だが、最初に国防長官を派遣した国は日本だった。そして日本で2プラス2会談(日米安全保障協議会)を早期に実現した。その後、菅総理が米国へと渡り、バイデン大統領と首脳会談を行った。バイデン大統領と会う最初の外国首脳に日本の菅総理が指定されたのだ。それはバイデン政権が日本という国を最大限重視しているということを意味する。

米国は上院も下院も国民も、中国という国に対する大変な危惧、もっと言えば恐怖を抱いているという基本的な部分は同じである。米国は中国について、今まで築いてきたものを全部ぶち壊されるのではないかという危機感を抱いている。

こうしたなか、バイデン政権は人権問題に取り組む必要性から日本との同盟関係を強めないといけない状況にある。日本に指図するのではなく、日本と一緒に責任を果たそうという姿勢があると私は認識している。3月の末に日米2プラス2が行われた。確証こそないものの、台湾への中国の侵略が始まりそうだということについて、米国は日本以上に危機感を持っていると思う。

中国がどう出るのかについて、信頼できる同盟国である日本と力を合わせていくことをバイデン政権もはっきりと認識していると思う。とりわけ人権問題はバイデン氏が最も気にしている点と言われている。もし日本が人権問題で足踏みをするようなことがあれば、中国にくさびを打ち込まれる機会を与えかねない。

―米国は中国国内の様々な弾圧や迫害について制裁措置を課している。そして法輪功迫害についても下院で全会一致の決議案が可決されている。日本でもこの問題に取り組む可能性はあるか。

まずは、今起きているウイグル、チベット、南モンゴル、香港の人権状況について決議を挙げていく。そこまで国会が一歩踏み出せば、いままでは全然取り組まなかった、例えば臓器収奪の問題についても同様に進めることができるだろう。これらはつながってくる。

(つづく)

(聞き手・王文亮/編集・王文亮、蘇文悦)


山田宏(やまだ ひろし)昭和33年1月東京都生まれ。京都大学法学部卒。自由民主党所属の参議院議員(1期)。日本の尊厳と国益を護る会(護る会)幹事長。松下政経塾2期生。東京都議会議員(2期)、東京都杉並区長(3期)、衆議院議員(2期)。

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