中国、封鎖解除で経済は安定するか 専門家「下降トレンド変わらず」

2022/12/12
更新: 2022/12/12

ここ数日、中国当局はゼロコロナ政策を緩め「経済の安定を図る」とのシグナルを出している。6日、中国共産党政治局は会議を開き、経済を安定させ、経済の回復を刺激すると強調した。7日には中国国務院が厳しい封鎖管理を緩和する新措置を公表した。

長期的なゼロコロナ封鎖で、中国経済は苦境に陥っている。専門家は、ゼロコロナ政策の緩和は、短期的には一時改善をもたらすが、長期的には、中国経済の下振れは構造的原因によるもので、緩和によって長期的な下降トレンドを変える可能性は低いと指摘する。

経済安定」試みる中国当局

7日、中国の最新データでは、米ドルベースの輸出は前年比8.7%減となり、パンデミックが始まった2020年1月以来最大の減少幅となり、予想されていた3.5%減を大きく上回った。輸入も10.6%減少し、2年半以来最大の下落幅となった。

長期的なゼロコロナ措置は、経済活動を阻害し、中国国内需要を抑制した。今年第2四半期の時、上海が都市封鎖を実施したことで、中国の工業生産能力の利用率は75.1%にとどまり、2020年以来の最低値となった。

6日の中国共産党中央政治局の会議では、2023年の経済発展の重点は、疫病の予防・制御と経済発展をよりよく統括し、経済運営の全体的な好転を推し進めることを強調した。新華社通信が伝えた。

7日、中国国務院は防疫に関して新たな措置を発表し、施設隔離や地域PCR検査、移動の際のコロナ陰性証明提示を要求しないと取り決めた。「ウイルスと共存する」といった方針転換も示唆した。

ゼロコロナ政策の下では、中国の国内消費需要は弱まり、今年第3四半期、中国経済の増加は3.9%で、10月の小売額は前年比0.5%縮小した。労働力市場も悪化し続け、消費者はより倹約志向となり、飲食店やその他のサービス業にとって打撃となった。

中国経済、長期的な下降トレンド避けられず

中国の「人口ボーナス(豊富な労働力人口)」が縮小する中、経済成長を維持するには、主に生産性の向上が必要だ。しかし、1982年から2010年にかけて、中国の全要素生産性(TFP)が年平均1.1%上昇したのに対して、2011年から2019年の間、中国の全要素生産性の増加は平均で毎年0.6%減少した。

習近平政権によって、生産性の高い民間企業から硬直した国有企業へと投資と雇用が移っていったことが一要因とみられる。過去数年で、政権はゲーム、ビデオ、音楽を含むインターネット業界を全面的に規制し、佳境を迎えていた教育・塾業界を閉鎖したりして、起業空間を潰した。

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アンダーソン・スクール・オブ・マネージメント在籍の経済学者・兪偉雄氏は、中国経済にはすでに4つの構造的な変化が起こり、中国経済の長期的な下降傾向は避けられないと分析した。4つは次の通り。

  1. 中国共産党は国営企業の支援を強化し、経済発展をもたらした民間企業を抑圧した。多くの中国民間企業が東南アジアに移って上場し、本社も移転した。そこでは比較的自由で、政府の介入がないと安堵している。
     
  2. これまでは不動産の過剰投資で、それを消化するのに長い時間が必要だった。かつて中国の経済成長の主要な原動力だった不動産業界だが、いまは不況に陥っている。
     
  3. 中国共産党の野心が米国を警戒させ、米国は中国に対して科学技術上の競争を開始し、封じ込めを始めた。中国が米国をはじめ先進国から半導体など最新技術を得られなくなり、経済発展は妨げられる。
     
  4. 中国の賃金が上昇し、ここ数年のゼロコロナ政策によって、多くの台湾企業や外国企業が中国の投資環境のカントリーリスクを目の当たりにした。各産業チェーンが海外へ移転し始めた。

パンデミックの前から、主に低コストの企業が東南アジアに移転していたが、今ではアップルも生産拠点の中国外への移転を加速させるとウォール・ストリートジャーナル(WSJ)などが報じている。

アップルが中国外に移転すれば、中国全体 (製造業だけでなく) に大きな影響を与える。製造業は生産性の高い輸出型産業であり、常に大きなプラスの波及効果があるため、アップルが中国から離れると、中国の経済にとって大きなダメージになる。

宋唐
易如
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