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中国経済データ消失の真相 「中共はすでに行き詰まっている」と専門家

2025/05/06
更新: 2025/05/06

中国経済に関する重要な統計データが次々と非公開となっており、投資家や研究者の間で懸念が広がった。土地譲渡、失業率、外国投資といった指標の突然の公表停止の背景には、中国共産党による統制強化と経済状況の悪化があった。中国問題の専門家ゴードン・チャン氏は、「中共はすでに行き詰まった」と警鐘を鳴らし、今後の中国経済の行方に注目が集まる。

「ウォール・ストリート・ジャーナル」の分析によれば、中国共産党(中共)当局は、研究者や投資家が活用してきた数百項目に及ぶ経済関連データの発表を、全面的に停止して、5月4日、同紙は、中国における土地譲渡、外国投資、失業率に関するデータが最近公開されなくなったと報じた。火葬統計や一部のビジネス信頼指数の発表も中止され、公式の醤油生産量に関する報告も消えた。

中共の関係部門は、データ発表停止や非公開の理由を明示せず、一方で、これらの統計が消えた時期は、中国経済が過重債務、不動産市場の不安定、雇用の低迷、消費活動の停滞といった深刻な課題に直面していた時期と一致しており、中共が、宣伝統制を強化した結果だと考えられた。

「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記事では、いくつかの具体的な事例が紹介された。

たとえば、2022年には、中国の土地譲渡収入が48%急減し、債務を抱える地方政府に深刻な影響を及ぼしたが、このデータは、2023年初頭から公開されなくなった。

また、2022年末に中共が「動的ゼロコロナ」政策を終了した直後、全国の火葬統計も非公開となった。

2023年8月には、関連部門が青年失業率の発表を一時停止し、指標の計算方法を見直す必要があると説明した。

2024年4月には、中国経済の低迷が続き、株式市場が不安定となり、外国資本が流出する中で、上海と深センの両証券取引所が突然、海外資金の流入・流出に関するリアルタイムデータの公表を中止した。

さらに、中共の公式な醤油生産量データは、2021年5月以降発表されておらず、現在も復旧していない。大豆の公式生産量データも消失したのだ。

ゴードンチャン氏が指摘する「中共の危機」

5月5日、中国問題の専門家ゴードン・チャン氏は、フォックス・ビジネス・チャンネルのインタビューにおいて、中国経済データの消失について「中共政権は何が起きているかを外部に知られたくなく、今後も情報提供を制限し続けるだろう」と述べた。

チャン氏は、この状況が数年前から続いていると指摘し、中国のテクノロジー関係者は、外部が基礎データを分析することで公式報道の矛盾に気づくことを理解していると説明した。具体的には、中共が発表する国内総生産(GDP)データの信頼性に疑問を呈した。

「たとえば、第1四半期の成長率を5.4%と発表しているが、それを否定する証拠は豊富に存在し、トランプ大統領が指摘したように、中国経済は縮小し、3月と2月の消費者物価データやPMI(購買担当者指数)を見れば、それが明らかである。4月のPMIも工場活動の減少を示した」と語った。

5日、ゴードン・チャン氏は、X(旧Twitter)上で「中国(中共)政権はデータを抹消していて、たとえば、醤油の生産量を知りたいか? 幸運を祈る。それ自体が中共の行き詰まりを示している」と投稿した。

「中国経済の縮小傾向は、第1四半期にすでに明らかであったが、現在はさらにその下落が加速した。この政権には、経済の暴落を食い止める力があるにもかかわらず、イデオロギーや政治的理由から必要な措置を拒んできた。そのため、経済の暴落は続き、緊急対策も機能しないだろう」と述べ、さらに、彼は中共の政治が中国社会を窒息させていると付け加えた。

国際仲裁人であり、フランス控訴院の弁護士である陶景洲氏は、1977年に北京大学法学部に入学し、故・李克強元首相と同級生であった。

2023年11月、陶氏はフィナンシャル・タイムズへの寄稿において、過去数年の中共による公式GDPデータについて、多くの観察者が誇張されたものだと感じていると述べた。

地方官僚にとって、GDP目標の達成は、職を守る手段であるだけでなく、昇進の必須条件ともなってきた。

陶氏は、長年にわたり中共の公式統計、特に年間GDPデータが当局による「厳格な審査」を受けてきた実態を指摘した。

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