防衛省は7月8日、中谷防衛大臣が記者会見で記者の質問に答え、航空自衛隊が7月9日から8月4日まで米軍主催の訓練「レゾリュート・フォース・パシフィック」に参加することを明らかにした。訓練は日本周辺の空域を中心に実施され、日米の戦闘機による防空戦闘訓練や、両国の基地間での戦闘機展開訓練、共同での滑走路被害復旧訓練、患者後送訓練などが行われる予定である。
中谷大臣は今回の訓練について、部隊の戦術技量や米軍との相互運用性の向上が目的であると説明した。訓練は特定の国や地域を想定したものではないが、実戦的かつ高度な内容であり、日米の共同対処能力を高めることで地域の平和と安定に貢献できると述べた。
米軍が本土やハワイから大規模な部隊を日本周辺に展開して訓練を行うのは近年では珍しい。中国共産党軍が太平洋で空母2隻を同時に展開するなど活動を活発化させている現状もあり、今回の訓練には国際社会への抑止力強化のメッセージが込められているとの見方もある。ただし、防衛省は「特定の国や地域を対象としたものではない」としている。
訓練期間中は、日米両軍の連携強化や実践的な訓練を通じて、万が一の事態に備える体制づくりが目的とされている。防衛省は今後も、地域の安全保障環境の変化に対応し、日米同盟の抑止力や対処力の維持・強化に努める方針である。
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