6日、沖縄県の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船がワイヤーのようなものを海に伸ばして航行しているのを確認した。第11管区海上保安本部(沖縄県)が発表した。
6日午後3時ごろ、沖縄県久米島周辺の排他的経済水域で、中国の海洋調査船「海洋地質九号」が日本の同意を得ずに活動している様子を海上保安庁の航空機が確認した。
海上保安本部が中止を求めるとともに、警告と監視を続けている。日本のEEZ内で中国船による同様の行動が確認されたのは、今年に入り3回目だ。
中国船の動きをめぐっては、近年海底ケーブル切断事件が相次いでいる。
今年2月、台湾の海巡署(海上保安庁に相当)は台湾本島と澎湖諸島を結ぶ通信用海底ケーブルを切断した疑いで、中国人乗組員8人が乗る貨物船をだ捕した。
昨年11月にも、リトアニアとスウェーデンを結ぶ通信用の海底ケーブルが切断され、運用を停止した事件があった。中国の貨物船「伊鵬3号」の関与が疑われ、デンマーク海軍が同船をだ捕し調査を行った。
こうした行為は、中国共産党(中共)政権による「グレーゾーン戦略」の一環である可能性が指摘されており、台湾有事の前兆とも推察している。
「グレーゾーン戦略」とは、戦時と平時の間の「グレーな領域」で相手国に対する嫌がらせや威圧を繰り返し、実質的な支配や影響力を拡大する戦略だ。
中共はアジアの周辺国に対して外交、経済など非軍事手段で圧力をかけて政権の利益を獲得しようとしている。米シンクタンクのランド研究所は、こうした「グレーゾーン戦略」を駆使してアメリカや周辺国からの軍事対応を避け、中共の都合に沿う現状へと変更させていると見ている。
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