米国務省は、中国に派遣されていたアメリカの外交官が中国共産党の関係者である中国人女性と交際していたため、解任されたと発表した。中国に駐在する職員に対し、中国人との恋愛関係を禁止する措置に基づく初の解任事例となった。
米国国務省は8日、あるベテラン外交官を解任したことを発表した。解任理由は、この外交官が中国共産党と関係があるとされる中国人女性と交際しており、国家安全保障上の懸念を招いたためである。
これは、中国に駐在する職員が中国国籍者との恋愛または性的関係を全面的に禁止する措置を米国務省が今年1月に施行しており、同措置に基づく初の解任事例となった。
この禁止措置は、バイデン政権下で駐中国米大使ニコラス・バーンズ氏が昨年に提案し、今年1月に施行された。対象は中国に駐在するすべての米国の外交官、その家族、安全保障の認可を持つ契約業者であり、適用範囲は北京の米国大使館、さらに広州、上海、瀋陽、武漢、香港の各総領事館に及ぶ。
米国務省のトミー・ピゴット報道官は声明で、この外交官を正式に職務から外したと発表した。調査の結果、外交官は中国国籍の女性との交際を隠していたことを認め、その女性が中国共産党と関係を持つことが確認されていたという。
声明によれば、この匿名の外交官はカメラの前で、中国人の恋人が「スパイである可能性がある」と述べ、その父親が「紛れもない共産党員」であることを明らかにした。
ピゴット報道官は、「ルビオ国務長官のもと、我々は国家安全保障を脅かす職員に対して一切容認しない方針を採用している」と強調。また、今回の解任は、トランプ氏が大統領に復帰した後に署名した大統領令に基づく初めてのケースであると説明した。
米国務省はこの外交官の氏名や詳細を公表していないが、彼と中国人の恋人は以前、米保守派活動家ジェームズ・オキーフ氏が制作した動画に登場していたことがある。
専門家は、この禁止措置が冷戦時代の手法に類似していると指摘している。外交や情報活動の分野で、官僚が外国人と親密な関係を持つことは潜在的な安全保障上の脆弱性を伴い、特にその関係が他国勢力に利用されるリスクがある場合には危険性が高まるとされる。
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