中国で今、小規模な飲食店やカフェが、「店の無料Wi-Fiの提供」を理由に処罰されるケースが相次ぎ、波紋を呼んでいる。
日本では、店の壁やレジ横に「Wi-Fi名」と「パスワード」が書かれた紙が貼ってあり、客がスマホでそのWi-Fiを選び、パスワードを入力して自由に使う光景は珍しくない。しかし中国では、こうした「誰でも使えるWi-Fi」を問題視している。
中国の「ネット安全法」では、公共の場所で提供するWi-Fiについて、利用者の実名確認を行うことが義務付けられている。実名確認を行っていない場合、警告や最高1万5千元(約35万円)の罰金、さらに営業停止処分を受ける可能性もある。
なお、利用者の実名確認で一般的に使われているのは、Wi-Fi接続時に認証画面を表示し、携帯電話番号を入力したうえで、SMSで届く認証コードを入力しなければ利用できない仕組みだ。中国では携帯電話番号の契約自体が実名制のため、当局は「誰が、いつ、どこでネットを利用したのか」を追跡できる。
ところが、多くの小規模な飲食店では、こうした認証システムを導入しておらず、日本と同じように「パスワードを入力するだけ」でWi-Fiを使える状態になっていた。最近では、こうしたWi-Fi提供の形が問題視されるようになっている。
中国では以前から、店の「違反」を探し、当局への通報をちらつかせながら示談金を得ようとする「通報ビジネス」のようなものが存在しており、今回は無料Wi-Fiが新たな標的になった形だ。
実際、中国メディアによれば、江蘇省では「パスワードだけで接続できるWi-Fi」を提供していたとして、「ネット安全法違反」で複数の店を処分した。当局は「詐欺やマネーロンダリング防止のため」と説明しているが、ネットユーザーの多くはそう受け止めていない。
ネット上では、「金がないから罰金を取りたいだけだろ」「結局は監視強化が目的だ」といった反発の声が広がっている。
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