ゼレンスキー氏が航空会社に警告 「ロシア領空は危険」無人機攻撃拡大で

2026/09/02
更新: 2026/09/02

ウクライナのゼレンスキー大統領は9月1日、ロシア領内で無人機攻撃が拡大しているとして、同国領空を利用する航空会社や保険会社に安全上の警告を発した。「ロシアの空は閉ざされつつある」と述べ、民間航空を直接脅かす意図はないとしつつも、主要空港への乗り入れに伴うリスクを考慮するよう呼びかけた。

ゼレンスキー氏、航空会社と保険会社に警告

ウクライナは近ごろ、ロシア領内を標的とした無人機攻撃を強化している。

ゼレンスキー大統領は9月1日、SNS「インスタグラム」に投稿した動画で、「ロシア当局は国民に事実を伝えていない。しかし実際には、ロシアの空は閉ざされつつある」と述べた。

そのうえで、「ロシア自身が始めたこの戦争によって、ロシアの空は閉鎖へ向かっている。ウクライナは、これ以上、罪のない人命が失われることを望んではいない」と訴えた。

さらに、「ロシアの空が安全だった時代は、すでに終わった」として、航空会社や保険会社、ロシアの主要空港を利用する関係者に向けて、次のように呼びかけた。

「ロシア領空を利用しているすべての航空会社、すべての保険会社、そして現在もロシアの主要空港を利用しているすべての関係者に伝えたい。ロシア領空の安全性は急速に低下しており、極めて危険な状態になりつつある」

民間機への攻撃意図は否定 主要空港のリスク指摘

ゼレンスキー大統領は、ウクライナに民間機を脅かす意図はないと強調した。

「ウクライナは民間航空や民間機を脅かしているわけではない。ただ、ロシア上空では無人機が飛行する状況が続く。この現実を踏まえる必要がある」

また、各国の大使に対し、民間航空が直面する危険を自国政府に伝えるよう求めた。

「現在もロシアの空港に乗り入れている航空会社、とりわけモスクワやサンクトペテルブルクなど、ロシアの主要都市の空港に就航している航空会社に、この警告が届くことが重要だ」

ゼレンスキー大統領は、ロシア上空で無人機が飛行する状況を踏まえるよう関係者に求めた一方、民間機を標的にする意図はないと説明した。

ウクライナの民間人被害、7月に死者437人

ゼレンスキー大統領は、首都キーウをはじめウクライナ各地が近ごろ、ロシア軍による無人機や弾道ミサイルの攻撃を受け、多くの民間人が死傷していると訴えた。

国連ウクライナ人権監視団によると、2026年7月、ウクライナでは少なくとも437人の民間人が死亡し、2610人がけがをした。死者数は2022年5月以来、月ごとでは最も多く、6月より30%、去年の同じ月より70%増えた。

子どもも17人が死亡し、166人がけがをした。子どもの死傷者数は2022年4月以降で最も多かった。

ロシアの反応と欧州の動き

ロシアのプーチン大統領は、ゼレンスキー大統領の警告について「国家テロのように聞こえる」と述べ、対抗措置を取る考えを示した。

ドイツ政府は9月1日、8月にライプツィヒ/ハレ空港で起きた、爆発物を搭載した無人機による攻撃未遂について、ロシアが関与したと結論づけた。

ドブリント内相は、警察の捜査や犯行の手口、情報機関の分析を総合して判断したと説明した。ロシア側は関与を否定している。

ロシアによるウクライナ侵攻の開始から4年以上がたつなか、ウクライナは長距離攻撃の能力を強化し、無人機や巡航ミサイルの生産と配備を拡大している。ロシア領内への無人機攻撃も、作戦上の重要性を増している。

ウクライナの兵器メーカー「カルバー・エアロスペース」の創業者、オレグ・クロット氏はこのほど、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」に対し、「2年前、ロシアの優位性は、ウクライナの攻撃が届かないほど広大な国土にあった」と語った。

さらに、新たに開発されているウクライナの兵器について、「まだ始まりにすぎない。今後数年で、その真の力を示すことになる」と述べた。

高杉