中国・遼寧省大連市で3年前に起きたサクランボの木の大量枯死を巡り、農家だけでなく、支援した弁護士や記者らにも捜査が広がっている。
被害の原因を巡る争いが決着していないなか、問題を追及する側が相次いで拘束されていることが注目を集めている。
大連は中国のサクランボ主要産地の一つ。2022年前後、少なくとも8人の農家でサクランボの木が大量に枯れた。
被害面積は約109ヘクタール。東京ドームの建築面積で換算すると、約23個分に相当する。一部の果樹園は現在も荒れたままだという。
農家側は地元企業から購入した農薬などを疑ったが、地元当局は主な原因を「真菌による病害」とした。
農家の一人は販売会社を提訴。一審は、購入した商品と木の枯死との因果関係を認めたものの、損害額を巡って請求を退けた。二審は事実関係が十分に解明されていないとして審理を差し戻したが、再審理は始まっていない。
本紙の取材に対し、地元のサクランボ農家は「多くの農家が農薬に何の問題があったのか調べようとしたが、検査機関は政府からの依頼しか受け付けず、個人による検査や鑑定はできなかった」と話した。このため、農家らは弁護士に依頼し、メディアにも問題を訴えたという。
ところが今年8~9月、警察は農家や支援者を「騒動挑発」や恐喝などの疑いで相次いで拘束した。
9月には農家4人が逮捕されたほか、代理人の弁護士や問題を取り上げた元記者、不正商品を追及する発信者らにも捜査が拡大。関係者約20人が相次いで逮捕、拘留、連行されたと中国メディアが報じている。
農家側は9月26日、地元警察を捜査から外し、別地域の機関による再調査などを求めた。
この事件で残る最大の疑問は単純だ。サクランボの木は、なぜ大量に枯れたのか。
原因を調べようとした農家、農家を助けた弁護士、問題を伝えた記者。原因究明が進まない一方で、その原因を追及する人々への拘束だけが広がっている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。