極左団体「アンティファ」、カナダで保守派講演会を妨害 日本でも活動

2019年11月06日 13時53分

極左団体「アンティファ(Antifa)」のメンバーは、カナダのオンタリオ州にある大学で行われる保守派政治家の講演会を妨害するため、暴力的な反対運動を展開した。メンバーは、大学周辺の道路を歩く年配夫婦をも脅迫していた。

カナダCBCによると、マキシム・バーニー(Maxime Bernier)国会議員(野党・人民党)と支持者たちは、オンタリオ州ハミルトンのモホーク大学で講演会を開いた。極左集団アンティファのメンバーは、妨害目的で大学周辺に集まった。このイベントには、米国の政治評論家デイブ・ルービン(Dave Rubin)氏も参加した。

ルービン氏は、「なぜ私が左翼から離れたか」と題した報告書で知られる評論家。同氏は、左翼は自らを進歩主義(Progressive)だと主張するが、実際は他者の意見に寛容ではなく、言語の検閲や禁止を多く設けているとして後退主義(Regressive)だと表現する。

アンティファとは反ファシスト(anti-fascist)の略称で、人種や性差別への激しい抵抗運動を掲げる極左暴力組織やその思想を指す。敵視する対象の行動を阻止するためなら騒乱、襲撃、といった暴力も辞さないことで知られる。米トランプ大統領は7月28日、ツイッターで、アンティファは「人の頭をバットで殴る急進左翼で、テロ集団に指定することを検討している」と書いた。警察対応の効率化を進める狙いがあるという。

9月30日に行われたカナダの大学でのイベントでは、アンティファメンバーの4人が「平和の侵害」で警察に逮捕された。CBCによると、すでに4人は釈放されたという。

ソーシャルメディアで広く出回っているビデオによると、高齢な夫婦がゆっくり歩道を横断しているところ、4人が立ちはだかり「ナチスが来たぞ」と騒ぎ、横断を阻止する様子が映っている。高齢な男性は話し合おうと試みたが、「触るな!」とメンバーが叫んだ。

バーニー議員は、2018年に保守党を離れ、人民党を結成した。継続的に、極左集団の暴力的な活動を非難している。議員は9月30日、SNSに「アンティファは、暴力的な凶悪犯だ。最も恐ろしいのは、彼らの過激派である極左イデオロギーが学界、メディア、活動家組織、および政治の多くによって暗黙のうちに支持されている、ということだ。私たちの民主主義は危険にさらされている」と書き込んだ。

保守系政治活動組織ターニングポイントUSAの幹部ベニー・ジョンソン氏は、「アンティファは、通りを渡る老夫婦をいじめている。メディアは報道しない。もし、ブラックマスクではなく赤い帽子(トランプ支持層の比喩)だったら、すべての主要なメディアが報道するはずだ」とし、メディアの偏向性を疑った。

精力的にアンティファの活動を取材してきたジャーナリストのアンディ・ンゴ(Andy Ngo)氏も同様に、保守層によるイベントを停止させるために、アンティファのメンバーは暴力を働いたと書いた。

6月29日、ンゴ氏は、アンティファの抗議活動を取材中、攻撃を受けた。参加者が撮影した動画によると、ンゴ氏は集団に殴る蹴るなどの暴行を受け、罵声を浴びせられた上に、何度も白いミルクシェイクを頭部に投げかけられた。ポートランド警察は後に、ミルクシェイクには速乾性セメントが含まれていたと発表した。

アンティファの起源は、ドイツの「反ファシスト」運動にまでさかのぼる。組織は、ヨーロッパ諸国で共産主義革命を起こすための、ソビエト連邦の前線組織のひとつだった。

アンティは、「ファシズムと戦う」ことを活動理念と主張しているが、実際ファシストに正面から向かうことはめったにない。メンバーは共産主義者、社会主義者、その他の過激思想で構成され、暴力の使用を正当化するために「反ファシスト」のための連携をうたい、イデオロギーと完全に整合しない政党や個人とも接触する。

日本にもアンティファが

アンティファは、日本の左派政党や組織とも合流しようとしている動きがある。立憲民主党・杉並区議会議員のひわき岳氏は10月19日、ツイッターで、東京都新宿で行われた反与党政権デモの様子を撮影した動画を掲載。動画には、アンティファの旗が翻る様子が映っている。

10月26日、東京渋谷でも、アンティファの旗を掲げた左翼組織がデモを行った。悪魔や骸骨の姿のメイクを施した参加者もいて、騒音と奇声を上げて行進した。「低賃金、原発問題、表現の自由が守られていない、女性軽視、森友・加計問題、同性婚合法化、大麻合法化の遅れ、ネトウヨ(ネット右翼)、この国の総理大臣や他の国の大統領」などに不満を抱く人は参加するよう呼びかけた。

8月、愛知県のあいちトリエンナーレの一部展示「表現の不自由展・その後」が一時中断された件では、アンティファ名古屋支部は、展示の再開を要求する団体に主張の場を提供した。

(編集・佐渡道世)

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