中国「紅二代」が習指導部を批判 「中共肺炎」対策巡って

2020年03月24日 20時09分

中共肺炎(COVID-19)が世界中にまん延する中、中国当局は国内で言論の自由を抑圧し続けている。当局は、感染拡大防止政策を批判した「紅二代」(毛沢東らと共産革命に参加した長老らの子弟)の任志強氏を逮捕した。このほど、もう1人の「紅二代」がSNS上に、党中央政治局会議を開き、習近平国家主席の辞任を議論すべきだと呼び掛ける「建議書」を転載し注目された。

3月21日以降、国内SNS上では、「政治局の緊急拡大会議の即時開催に関する建議」と題した記事が次々と転載された。 「紅二代」の1人で、香港の衛星テレビ放送「陽光衛視(Sun TV)」の陳平・会長も、SNS微信(ウィーチャット)で、同記事をリツイートした。陳会長は微信において、「匿名記事を転載しただけだ」と書き込み、執筆者について知らないと強調した。

同記事は、政治局の会議を拡大して、習近平氏を引き続き中国共産党の総書記として適任かについて議論することと、中国当局が今国際社会でさまざまな敵を作り、米中関係を悪化させ、アフリカなどの途上国に資金をばら撒いたなどの問題を議論すべきだと提案した。また、記事は、台湾との関係、香港問題、中国当局の政治・経済政策も討論すべきだと指摘した。

陳平氏は、3月23日、米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材を受けた際、同提案書は現在、多くの国民、「特に共産党内部の人々」の考えを反映したと述べた。同氏は、現在難局に直面している中国共産党にとって、政治局拡大会議の開催提案は「解決案」を見つけるための方法だとした。

陳平氏は、同じ「紅二代」の任志強氏(69)や王岐山・国家副主席、習近平主席とも長年の知り合いだと明かした。任志強氏は、不動産会社「華遠地産」の会長を務めた。公の場で体制を批判する言論を繰り返したため、「任大砲」との異名を持つ。

3月初め、「任志強」と署名された投稿はネット上で拡散された。 記事は、中国共産党指導者と当局が中共肺炎の感染拡大を隠ぺいし、政府系メディアが虚偽の情報を流し、当局を称賛するプロパガンダを展開して、感染を警告する告発者の言論を弾圧したと非難した。また、記事は、習近平氏を名指ししていないが「皇帝になりたがる道化師」と暗に批判した。

また、記事は、「党は党の利益を守り、役人は役人の利益を守っているが、君(習近平氏)は、(党の)核心としての地位と利益を守ろうとしているに過ぎない」「この体制の下、中国当局は事実を公表するのではなく、『噂を流布した』として、感染情報の伝達を阻止した。このため、疫病は制御不能にまでまん延した」と主張した。

3月12日、任志強氏が音信不通となったことが明らかになった。任氏の友人3人はロイター通信に対し、「非常に心配している」と話した。

米ラジオ・フリー・アジア3月19日付は、情報筋の話を引用し、習近平氏が任志強氏について「必ず厳罰するよう」に、北京市規律検査委員会に命じたと報じた。同委員会が任氏を拘留しているとの情報がある。

中国軍創立者の1人、葉剣英氏(故人)の養女である戴晴氏はこのほど、VOAに対して、「80年代に党内部で活躍した改革派は、中国の現状を非常に危惧している。このタイミングに、一部の人が匿名で意見を述べたのは、この現状を変えたいとの思いがあるからだ」と話した。

歴史学者の章天亮氏は、米中国語テレビ放送「新唐人」の「天亮時分」番組で、国内外の紅二代や知識人に「共産党に期待してはいけない」と呼び掛けた。

「共産党が自らの政策を否定したのは、(1978年12月の)党第11期中央委員会第3回全体会議の時だけだった。この会議では、毛沢東時代の反右派闘争、「一打三反」運動や毛沢東時代の経済政策、文化大革命などを全否定した」

「しかし、共産党はその後のすべての政治運動について、たとえば1989年の天安門事件、法輪功弾圧、人権派弁護士弾圧などを覆したことはない」

章氏は、1978年の党大会で改革を主張し、実際に改革を行った人は「(毛沢東時代に)抑圧を受けた人たちだ」との見方を示した。「鄧小平はその典型例だ。だから、当時の改革には、この人らの復讐の気持ちが込められた。しかも、改革の本質は、共産党の統治と専制体制を維持するためだった」

同氏は、現在、中国共産党が改革を強化すれば、党の崩壊がより速く進むとの見方を示した。

「改革のために政治局が拡大会議を召集するのはあり得ない」

(翻訳編集・張哲)

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