中国の出生率、1949年以来最低 深刻な人口危機

2022/01/18
更新: 2022/01/18

中国国家統計局は17日、2021年の全国出生数は1062万人で、5年連続の減少と発表した。また、昨年の出生率(人口1000人当たりの出生数を示す比率)は7.52人と1949年の共産党政権樹立以来の最低水準を記録した。20年の出生率は8.52人と初めて10人を下回った。

21年の全国死亡者数は1014万人で、出生数が死亡者数をわずかに上回った。

米紙ニューヨーク・タイムズは専門家の話を引用し、「出生数と死亡者数の差が数十万人しかない場合、基本的には(人口の)ゼロ成長の範囲に入る」と指摘した。専門家らは「この流れは逆転できない」「中国は、当局と国際社会が想像もできない人口危機に直面している」との認識を示した。

国家統計局の公表では、21年末時点、中国の総人口は14億1300万人。20年末の14億1200万人と比べてわずか0.034%増えた。

中国当局は1979年、人口抑制政策として、夫婦1組につき子供は1人に制限する「一人っ子政策」を始めた。人口減少による少子高齢化問題が急速に進むにつれ、当局は2014年に同政策を撤廃し、16年に2人目まで容認する「二人っ子政策」を全面的に施行した。21年には「三人っ子政策」を導入し、すべての夫婦に3人まで出産を認めた。

在米中国人学者の謝田氏は、「中国当局は今、人口を増やそうと様々な対策を講じているが、成功しないだろう」と指摘した。最大の原因は、「若者は住宅や教育、医療に強い経済的プレッシャーを感じており、結婚や子供を産むことを望んでいないためだ」と同氏は大紀元に語った。

中国各地の地方政府は、若者の結婚を支援し出生率を高めるために、お見合いイベントなどの主催に取り組んでいる。

だが、中国民政部(省)の発表では、21年1~9月までに結婚を届け出た夫婦は590万組で、13年ぶりの低水準となった。婚姻件数は8年連続で減少しているという。一人っ子政策の影響で男女の比が不均衡となったことが背景にある。若い男性の数が女性の数を大きく上回る。

いっぽう、国家統計局によると、21年総人口に占める60歳以上の人口の割合は、20年の18.7%から0.2ポイント増え、18.9%となった。

(翻訳編集・張哲)

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