国連では過去17年間にわたり、「沖縄での先住民族に対する権利侵害」という虚偽の事例報告が積み上げられており、現在、中国共産党(中共)政権がこのナラティブを利用して沖縄を「深刻な人権侵害が行われている植民地」として国連の監視下に置こうとする「主権剥奪工作」を本格化させているという。この国家存亡の危機に対し、日本政府の外交を補完して真実を突きつける「民間防衛隊」として、日本沖縄政策研究フォーラムは3月にスイス・ジュネーブの国連人権理事会へ緊急派遣団を送り出した。本記事では、4月14日に東京・池袋で開催された同フォーラム代表・仲村覚氏による報告会に基づき、現地での活動実績や国際的な策動の危険性についてまとめる。
国連人権理事会セッションでのスピーチ:県民の声を無視した「分断工作」の告発
仲村氏ら緊急派遣団は3月に開催された国連人権理事会セッションにおいて、NGO「新しい歴史教科書をつくる会」の枠を通じて、前沖縄県議会議員の座波一氏と仲村覚氏がそれぞれ3月16日と18日に90秒間のスピーチを行った。
座波氏は、20年以上にわたり沖縄で政治家を務めてきたが、国連が「先住民族勧告」を出していることなど県民の大多数は全く知らない状況であると指摘した。その上で、これは国連やメディアを利用した分断工作であり、日本を弱体化させようと企む特定の外国勢力に操られた者たちによって行われていると強く非難した。そして「沖縄の99%の人々は、自分たちを誇り高き日本人であると認識している」と述べ、理事会に対して誰がどのような目的でこの工作を行っているのか調査を求めた。

続いて登壇した仲村氏は、人権理事会の現在の仕組みが、一部の少数の活動家の声を優先し、99.9%の沖縄県民の声を無視していると手続きの公正性に重大な懸念を提起した。そして、戦後に先人たちが自らの自己決定として22万人分の署名を集めて日本人としてのアイデンティティを選択した歴史的事実を挙げ、沖縄の人々を先住民族と定義するのは重大な事実誤認であると断じた。さらに、最近になって石垣市、豊見城市、糸満市の各議会において「先住民族」という呼称を否定する決議が可決されたことを紹介し、国連機関に対して検証された事実と民主的機関の正式な声に基づいて判断するよう強く求めた。
サイドイベントでのスピーチ
さらに、200人を収容する会場を借りて開催されたサイドイベントでは、琉球王家第23代当主・尚衞氏の顧問弁護士である橋口玲氏が登壇した。橋口氏は尚衞氏の代理人として「沖縄県民は日本人であり、先住民族ではない」と明確に主張し、以下の客観的事実を提示した。
- 科学と文化の同一性: 最新の全ゲノム解析により、沖縄の人々は日本列島の基礎集団である縄文の遺伝子を濃く保持していることが判明している。また、言語学においても琉球の言葉は平安時代の美しい響きを今に残す日本語の姉妹言語である。
- 歴史的正当性: 1879年の琉球処分は外部からの不法な制圧ではなく、最後の国王・尚泰が沖縄の民の未来を見据えて日本への帰属を選んだ歴史的決断であった。戦後のサンフランシスコ平和条約時にも、沖縄県民は自らの意思で日本人であることを選び、22万筆の復帰署名を集めている。
- 地政学的な危険性: 沖縄県民を先住民族と認定することは事実と異なるだけでなく、「沖縄はかつて中国の属国であり、中国のものだ」という不当な主張に利用されかねない危うさを持っている。
中国・香港NGOの不可解な動向と国際的ネットワーク
今回のジュネーブでの会議において、日本からの参加団体がほとんどいなかった一方で、中国のNGOが多数参加していたことが報告されている。中でも特筆すべきは、香港のNGOが沖縄の先住民族問題について演説を行った点である。

この演説では、沖縄における米軍基地の存在や「軍事化」を植民地支配の継続であると位置づけ、琉球独立派の活動家(親川志奈子氏など)が国連の専門家委員(EMRIP:Expert Mechanism on the Rights of Indigenous Peoples )に選出されることを後押しするような主張がなされた。仲村氏は、沖縄を先住民族として認めさせるための国際的なネットワークがすでに張り巡らされており、その実態を日本国民だけが知らないという危機的状況にあると指摘している。
「脱植民地化特別委員会(C24)」の脅威と「非自治地域」リストへの登録工作
現在、最も警戒すべきは、国連の「脱植民地化特別委員会(C24)」を通じた策動である。同委員会は現在、独自の自治能力を持たない「非自治地域(植民地)」として世界で17の地域をリストアップし、国連の管理下に置いている。この17地域には、イギリス領のアンギラ、バミューダ、ケイマン諸島などのほか、アメリカ領のグアムや米領サモア、フランス領のニューカレドニアや仏領ポリネシアなどが含まれている。
過去6回にわたる「沖縄の人々を先住民族と認めるように」という国連の勧告が土台となり、日本の領土であり歴史的な植民地でもない沖縄を、あろうことかこのリストの「18番目の植民地」として登録しようとする動きが水面下で進められていると仲村氏は主張している。国連が新たに宣言した「あらゆる形態と現れにおける植民地主義に反対する国際デー(International Day Against Colonialism in All Its Forms and Manifestations)」という枠組みを悪用し、沖縄の統治を「新たな形態の植民地(二重の植民地主義)」としてリスト入りを正当化する懸念がある。もしこのリストに登録されれば、日本やアメリカに拒否権はなく、サンフランシスコ平和条約体制の瓦解につながる致命的な事態を招くことになる。
真の狙いとカウンターアクションの急務

一部の活動家が先住民族認定を急ぐ理由は、「先住民族の権利に関する国連宣言」の第30条(先住民族の土地で軍事活動を行ってはならない)を利用し、沖縄から米軍基地や自衛隊を排除することにある。今後、琉球独立派の活動家たちは、アメリカのニューヨークの大学などでセミナーを開催し、C24へのロビー活動を展開していると見られる。

この危機を回避するためには、地方議会で「先住民族勧告の撤回を求める意見書」を採択し国連に届けるとともに、日本政府や外務省が主体となって不当なナラティブを未然に防ぐ強力な対応が急務であると仲村氏は訴えた。
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