6月16日にブルックリン連邦裁判所へ提出した連邦判事の決定によると、ファーウェイ最高財務責任者(CFO)の孟晩舟が、同社がイランで違法に事業を行っていたことを認めた供述は、アメリカで予定しているファーウェイの刑事裁判で証拠として使用できる。
孟晩舟は2021年、自身への起訴を先送りする訴追延期合意の中で、この供述を行っていた。4ページにわたる事実陳述書で、孟晩舟は、ファーウェイによる制裁・輸出管理法令の順守状況について、銀行に虚偽の説明をしたことを認めていた。
ロイター通信によると、アン・ドネリー米連邦地裁判事は、この陳述を裁判で採用できると判断した際、「孟晩舟は過去においても現在においても、ファーウェイの最高財務責任者である」と記した。
ドネリー判事は、孟晩舟の陳述は職務に関するもので、ファーウェイ側もその内容を受け入れているため、証拠として採用しても同社の権利を侵害しないとの判断を示した。
ファーウェイは、孟晩舟が陳述を行ったとしても、会社にも自らに不利な供述を強いられない権利があるため、検察側は孟晩舟の供述は会社に対する立証に利用できないと主張していた。ドネリー氏はファーウェイ側の主張を退けた。また、裁判で孟晩舟を証人として尋問する必要はないとしている。
ファーウェイの報道担当者は、ロイターのコメント要請に直ちに応じなかった。
事件の経緯
孟晩舟は、ファーウェイ創業者の任正非の娘である。2018年、カナダ・バンクーバーに到着した際、アメリカの逮捕状に基づき拘束された。この事件は国際的な注目を集め、米中関係と中国・カナダ関係を緊張させる要因となった。
当時、非公開の起訴状では、孟晩舟とファーウェイはイラン事業をめぐってHSBCなどの銀行を欺いたとして、銀行詐欺罪に問われていた。
孟晩舟はアメリカへの身柄引き渡しに抵抗する間、カナダ国内にある数百万ドル相当の、寝室6部屋を備えた住宅で、約3年間、自宅軟禁下に置かれた。
コロナの流行期に、孟晩舟は異例の合意に達した。2021年9月、バンクーバーから遠隔で出廷し、訴追延期合意に署名を認められた。その後、中国に帰国し、中共は英雄扱いで迎えた。この合意に基づき、孟晩舟に対する起訴は、後に取り下げることになった。
孟晩舟の釈放直後、北京当局は拘束していたカナダ人2人を解放し、それまで出国を禁じていたアメリカ国籍の姉弟2人も帰国を認めた。
一方、ファーウェイに対する裁判手続きは現在も続いている。当初の銀行への虚偽説明をめぐる容疑に加え、その後の起訴状では、同社が企業秘密を盗んだことや、その他の犯罪関与も指摘している。
9月8日に陪審員選び
この事件は、トランプ大統領の第1期政権下にあたる2018年にさかのぼる。当時、アメリカ司法省は、中共による知的財産の窃取に対抗することを目的に、「チャイナ・イニシアチブ」を開始していた。
本件は「アメリカ政府対ファーウェイ・テクノロジーズほか」として、ニューヨーク東部地区連邦地方裁判所で審理している。事件番号は18-cr-00457。
2025年7月1日、ドネリー判事は、ファーウェイ側が求めていた13件の刑事訴追の取り下げ請求を退けた。
検察側は、ファーウェイが不正な手段で事業を拡大したとして、16件の罪に関与したと主張している。これには、アメリカ企業6社からの企業秘密の窃取、組織的不正行為、銀行詐欺などを含む。
ファーウェイは、香港の関連会社スカイコムを通じて、イランと1億ドル超の取引を違法に行い、さらにアメリカの金融システムを利用して、スカイコムが実質的にファーウェイのイラン子会社であることを隠したとして、銀行詐欺に問われている。
ファーウェイはすべての罪状について無罪を主張している。同社は昨年、13件の罪状の取り下げを求める申し立てを行い、「中国企業を標的にした政治的訴追」だと主張したが、ドネリー判事はこれを退けた。
アメリカ政府は2019年以降、ファーウェイによる米国技術へのアクセスを制限している。アメリカ政府は、同社がアメリカの国家安全保障を損なう活動に関与していると指摘したが、ファーウェイはこれを否定している。
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