空母「遼寧」訓練で自衛隊の妨害主張 防衛省「事実ではない」と否定

2026/06/25
更新: 2026/06/25

中国国営メディアが、自国の空母に対する自衛隊の「妨害」行為があったと報じたことについて、防衛省は事実ではないとして明確に否定した。

中国国営テレビは22日、中国共産党(中共)軍の空母「遼寧」の艦隊が実戦訓練を終了し、帰港したと報じた。その際、訓練中に「日本側の艦艇や航空機が、度々至近距離で追尾や監視を行い、妨害や挑発を繰り返した」と主張した。

これに対し、防衛省統合幕僚監部は6月24日、公式Xを更新し、中国側の報道について「あたかも妨害や挑発を行ったかのように報じているが、こうした主張は事実ではない」と明言した。中共側の主張を全面的に否定した形である。

防衛省は、今後も冷静かつ毅然とした姿勢の下で、日本周辺の海空域における警戒監視をプロフェッショナルかつ着実に実施していくとしている。

一方、こうした中国による一方的な情報発信は、目に見えない新たな戦場である「歴史ナラティブ戦」や「認知戦」の一環としても警戒されている。

16日の参議院外交防衛委員会では、参政党の松田学議員と茂木外務大臣の間で、中国による歴史認識の歪曲や情報工作に対し、日本がどのような戦略で立ち向かうかについて議論が交わされた。

松田議員は、中国が事実と異なる歴史ナラティブを誇示していることや、国連などの場で沖縄県の人々を「先住民」として扱い、不穏な情報工作を行っていることへの懸念を示した。

これに対し、茂木外務大臣は、事態をエスカレートさせるのではなく、事実に基づいて冷静に対応することが国際社会からの信頼につながると強調した。また、沖縄に関する中国の主張や「地位未定論」のプロパガンダに対して、日本政府として沖縄県の人々を「先住民」とする認識は全くないと明確に否定した。事実に関する主張がなされた場合には、適切に反論し、発信を行っているとも答弁した。

さらに茂木外務大臣は、中国のプロパガンダや認知戦を新たな戦略の一つとして認識していると述べた。

「一方的に言われ続けて、あたかも事実のようになってしまうことはあってはならない」と危機感を示し、単なる定型的な反論にとどまらず「どういう発言が相手に一番刺さるかという観点から議論を行っている」と説明した。

その上で、情報操作の余地を狭めていくことが重要であるとし、政府一体となって情報収集・分析の充実や、正確な情報発信の強化に努めていく方針を示した。

中国による軍事的な挑発主張から、国際社会における歴史認識の歪曲まで、多角的に展開される認知戦に対し、日本政府は冷静かつ毅然とした対応と戦略的な反論によって、主権と安全を確保していく姿勢を示している。