分析 中国共産党が新たな出入境規定 戦争準備か それとも大規模動乱への備えか

2026/08/15
更新: 2026/08/15

中国共産党(中共)当局が最近発表した新版の出入境管理規定について、多くの人が中国共産党の鎖国政策、米中技術戦争、人権侵害などの観点から論じている。

しかし、中共が戦争準備のために自国民の出国を制限し、その背後には人質を確保し、戦場の捨て駒を準備する意図が隠されているとの分析もある。一方、中共が国内の大規模な動乱に備え、国民の逃亡を防ごうとしているとの見方を示す専門家もいる。

中国共産党の出入境新規定は戦争準備か 人質確保と「砲灰」の準備?

中共当局が最近発表した新版の出入境管理規定は、今年9月15日に正式施行される予定だ。新規定は議論を呼んでおり、主に高リスク国への渡航に対する出国の自粛勧告、輸出管理や技術安全保障に関係する人員への行政上の制限、出国制限の決定権を県級以上の公安機関へ委ねること、出入境仲介業者を全面的に管理下へ置くことなどが含まれている。

独立評論家の杜政氏は最近、台湾メディア「上報」に寄稿し、この問題について中共南部戦区の機関に近い友人と話した際、両者が期せずして同じことを思い浮かべたと述べた。台湾海峡で有事が起きれば米中は必ず戦争になるため、中共による今回の出国規制強化には戦争準備の意味があるという。

友人の見方によれば、台湾海峡での戦争のような事態は、かなり前から計画されるものであり、米中双方とも実際の開戦前の準備を公にすることはない。現在、中共は「十分な人質」を確保しなければならない。そうでなければ、急に「砲灰(捨て駒にされる兵士)」が必要になった時、人々が皆逃げてしまっていたらどうするのか、という。

ある細部に注目する人もいる。今回の新規定で重点的に制限されるのは、主として中国国民の出国である。杜氏は、まさにそこに問題があるのかもしれないとみている。

杜氏は、米国も近年、門戸を閉ざす傾向があり、外国人の入国を制限し、特に不法移民を排除していると指摘した。しかし、中共が主に制限しているのは自国民の出国である。二つの制度の下では、政府の国民に対する態度は完全に逆だという。

普遍的価値を信奉する民主国家は人間を本位とし、民生に配慮する一方、中国共産党は専制的な悪政を敷き、習近平は口では「人民至上、生命至上」と言いながら、実際に行っていることは国と国民を害するものであり、3年間の新型コロナウイルス感染症対策で実施した「動態清零(ダイナミック・ゼロコロナ)」政策が典型例だとした。

杜氏は、習近平が権力の座に就いて13年間、中国経済をめちゃくちゃにし「反腐敗」を口実に党、政府、軍の高官を大量に粛清してきたと述べた。そのかなりの部分は、習近平自身が登用した将官だったという。

杜氏によると、現在の中国政局は表面上は平静だが、内部では暗流が渦巻いており、最大の問題はまさに軍内部にある。大規模な粛清の下で軍心は安定していない。特に現在、習氏は張又俠の事件を処理する大きな圧力に直面しており、対応を誤れば、来年の第21回党大会で続投し、終身権力掌握という制度的な位置付けを確立できる保証はないという。

記事は、常識的に考えれば、政権が軍内部で大規模な粛清を進めている時期には、通常、実際の全面戦争を起こすことをできる限り避けると指摘した。しかし、習近平の行動はしばしば常識に合わず、情勢を誤認する可能性が高いという。習近平が本当に外部危機を通じて国内の圧力をそらすことを急いでいるのであれば、台湾海峡で衝突が起きる時期が早まる可能性があるとした。

今年に入り、中共は改正「ネットワーク安全法」を施行し、「ネットワーク犯罪防止法」の制定準備を進めているほか、4月には突然、国民による「翻牆(インターネット規制の回避)」行為への全面的な封じ込めを強化した。8月には「全国供給・マーケティング協同組合『第15次5か年計画』発展計画」を発表し、最近では世界各地で、中国の富裕層が過去数十年間に納めていなかった数千億ドル規模の税金を追跡し、オフショア信託に関する個人所得税を期限付きで追徴している。

杜氏は、これらはいずれも台湾海峡有事への戦争準備と関係しており、当局は国内と国外とのつながりを遮断し、いつでもインターネットを切断できるようにしようとしているとみている。同時に、食糧を備蓄して「戦争と災害に備える」という。

追徴課税は表面的には、悪化を続ける財政不足を補うために財産を取り上げるものだが、汚職官僚や大富豪の財産を没収するのと同様、戦時の軍事費に充てるためだとした。

ただし筆者は、中共の強権的行為は天理に反しており、必ず阻まれ、罰を受けると述べた。

また、台湾の将来の運命は、一方では台湾の人々が一致団結して中国共産党に対抗できるかどうかにかかっており、浸透を受けたり、だまされたりした一部を除き、大多数の人々が強い意志を持てば、邪悪な中共による併合を阻止できるとした。もう一方では、中共そのものの命運にもかかっているとし、習近平がいかに強硬で傲慢であっても、中国共産党と習氏の寿命には限りがあり、いつでも変化が起こる可能性があると述べた。

ベテランメディア関係者「習近平は以前から戦争に向け布石」

先日の動画番組「精英論壇」で、ベテランメディア関係者の郭君氏は、習近平は本当に戦争の準備をしており、2020年初めにはすでに配置を始めていたと述べた。ゼロコロナ政策(動態清零)による感染症対策もその一つで、真の目的は中国社会を経済社会体制から、戦時動員体制へ強制的に転換することだったという。

「感染症対策で封鎖した3年間は、本質的には全国規模の戦争ストレステストを行っていた。試したのは、全国の物資配分、封鎖管理、社会動員が極限状態でどれだけ持ちこたえられるか、国民が指揮に従えるかどうかだった」

郭氏は、習近平が「戦争準備」という姿勢によって、自身の政治的生存の余地を確保していると述べた。独裁者が内部抗争の危機に直面した際、歴史上繰り返し使われてきた解決方法はいくつかしかないという。限定的な対外戦争を起こし、戦争によって国内矛盾の焦点をそらし、戦争を名目に権力を再び集中させ、分散している軍権、財政権、資源を再び自らの手に集めることだとした。

農業資材や農産物の流通を担う全国組織、中華全国供給・マーケティング協同組合は最近、「第15次5か年計画」の発展計画を発表した。2030年までに、全国の供給・マーケティング協同組合システムで約100か所の国家戦略的農業資材備蓄倉庫と、約1千か所の県域農業資材配送センターを新設または改修する。今年はこの目標の達成に向け、全国の供給・マーケティング協同組合システムで約20か所の国家戦略的農業資材備蓄倉庫と、約200か所の県域農業資材配送センターを新設または改修する。

ベテランメディア関係者の石山氏は番組で、供給・マーケティング協同組合も戦時体制に備えるためのものだと述べた。毛沢東時代の供給・マーケティング協同組合は「毛沢東の大時代」の供給・マーケティング協同組合であり、現在の一連の動きは習近平による「毛沢東第二時代」だと説明した。

石氏は、中共が供給・マーケティング協同組合を推進する唯一の目的はすべての価格を決め、『商品は私にしか売れず、物を買う時も私からしか買えない』仕組みにすることだと強調した。

「中共当局は、次の経済的な物資不足への対応を準備しているのではないか。基本的な生活物資の不足に対応しようとしているのではないか。つまり、戦時経済における統一された購買・販売の準備をしているということだ」

分析 中国共産党は国内の大規模動乱に対応 国民の逃亡を防止

一方、中国問題専門家の李林一氏は大紀元の取材に対し、中共指導部の政治的考慮は、根本的には政権を守ることであり、習近平の言う「底線思維(最悪の事態を想定する思考)」であると分析した。中共が最もよく理解しているのは、国内の安定を維持しなければならないという点だという。

李氏は、以前のゼロコロナ措置によるテスト、近年の供給・マーケティング協同組合体制の拡大、現在のインターネット封鎖の強化、より厳格な出入境新規定の導入のいずれも、実際には国内の混乱を防ぐことにより重点を置いていると述べた。

李氏は、習近平が本当に台湾海峡での開戦に備えている可能性はあるものの、戦争を始めれば中共は大きな不確定要素に直面することも、習近平は理解しているはずだと指摘した。

戦争がなくても、中国共産党政権は近年、すでに深刻な危機に陥っており、国内では民衆の不満が沸騰し、いつでも民衆による反乱が起こる可能性があるという。また、中共体制内部にも反共勢力が少なからず潜んでおり、いつでも中共政権を瓦解させる準備をしているとした。

李氏は、注目を集めている今回の出入境新規定について、より大きな可能性としては、国内で今後起こり得る大規模な動乱に対処するためのものであり、その中には国民の逃亡を防ぐことも含まれていると述べた。

責任編集:林琮文

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