「3日間、何も食べていません。どうか助けてください」
画面の向こうで涙を流す青年。その姿を見て、思わず財布のひもを緩めた人たちがいた。
ところが、この青年、実は人間ではなかった。
中国の動画配信サービスで最近、人気を集めた「小海(シャオハイ)」という青年。苦しい生活を涙ながらに訴え、「商品を買って助けてほしい」と視聴者に呼びかけていた。
同情した中高年の女性たちは、豆乳の粉末や雑巾、翡翠のペンダントなどを次々と購入。なかには、心配のあまり遠くまで会いに行こうとした79歳の女性までいたという。
しかし、その正体はAIで作られた架空の人物だった。涙も悲しい身の上話も、視聴者の同情を誘うための演出だった。
さらに驚くのは、こうしたAI配信者を簡単に量産できることだ。中国メディアによると、わずか100円程度でAI人物の作成方法を学べる教材が販売されており、誰でも簡単に同じような偽の配信者を作れるという。
あるアカウント運営者は「中高年をうまく狙えば、1日数万円は簡単に稼げる」と明かしている。
中国の映像業界では、すでにAIが人間の俳優に取って代わる時代。今度はAIが人間のふりをして涙を流し、人々の同情を集めて金を稼ぐところまで来ている。
画面の向こうで泣いている相手が、そもそも実在するのか。そんなことまで疑わなければならなくなった。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。