何度も衝突を繰り返し、最後は横転。廃車になるほど大破し、運転手は一時意識を失った。
それでも、命を守るはずのエアバッグは一つも開かなかった。中国で起きたEV事故が大きな波紋を広げている。
江蘇省南京市で10月15日、男性が運転する中国EVメーカー「小鵬汽車(シャオペン)」のX9が縁石に衝突。その後、街路樹や電柱に次々とぶつかった。
車体前部は激しく損傷し、保険会社は修理する価値がないとして廃車を勧めた。
男性が説明を求めると、販売店は「エアバッグの作動条件を満たしていなかった」と回答。
これに男性はあきれ果て、「時速87キロで衝突したのに、エアバッグを開かせるには、ぶつかる場所まで選ばなければならないのか」と怒りをあらわにした。
ちなみに、この車は2024年に購入したもので、価格は日本円で1000万円を超える高級EVだった。
メーカー側は走行データなどを分析し、事故当時は手動運転で、運転手がアクセルを踏み続け、ハンドルを急操作していたと説明。衝突の衝撃はエアバッグの作動条件に達していなかったとした。
何度も衝突して横転し、廃車になるほど大破したにもかかわらず、「エアバッグの作動条件を満たしていなかった」というメーカーの説明に、男性は到底納得していない。
メーカーは車載コンピューターの部品を取り外して検査することを提案するも、メーカーへの不信感が強い男性はデータ改ざんを恐れ、自費での第三者機関による検査を求めている。
この事故は江蘇テレビのニュース番組「零距離」でも報じられ、大きな反響を呼んだ。
中国の大手メディア「澎湃新聞」も、話題づくりに熱心な一方で肝心の安全性を軽視しているとメーカーを批判し、第三者による公正な検証を求めた。
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