「中国共産党を裁く国際司法委員会」の設立に 自由法学学者袁紅氷氏が語る

2005/06/14
更新: 2005/06/14

【大紀元日本6月14日】中国共産党を裁く民間「国際司法委員会」の設立に向かって、5月27日に同会の準備委員会が創立され、現在、社会から支持・権限授与の署名を集めているところだ(署名サイト:http://trialofccp.gateopen.org/signature_cn_trad.php )。記者はこのほど、「中国共産党を裁く国際司法委員会」の設立について、準備委員会メンバーでオーストラリアに亡命した前北京大学法学教授、自由法学学者・袁紅氷氏を取材した。袁氏は、中国共産党を裁くことを通して、独裁者を恐れ戦かせる法律の原則を作り上げ、今後の独裁者が国家権力を利用して反人類の犯罪を防げると称した。袁氏はまた、同委員会の成立背景、進展、現状、法律の根拠などさまざまの側面から委員会の成立について詳細に紹介した。下記は、袁氏の答えの記録である。

準備委員会の成立背景

理解できる限りで、いくつかの各領域からの有志者たちが、現状の下で、共産党の統制が及んだ56年間に、中国民衆に対して犯したあらゆる罪を裁く司法委員会を立ち上げる必要があると認識している。その活動は大よそ3つのレベルから展開するだろう。

第一レベルは、中国共産党を裁く国際司法委員会を成立すること。その後、その司法委員会により司法官を任命し、中国共産党の罪を審判する特別国際刑事法廷を創立させる。更に、つまり第三レベルでは、現在中国で行われている、世界の最大の人権災難である法輪功学習者への迫害に関連しているが、共産党の法輪功への迫害を裁く法廷を作り上げること。

準備委員会の進展

「中国共産党を裁く国際司法委員会」(その後「司法委員会」と略称)は、現在まだ準備中である。準備の仕事は主に各人権団体、各民主政治団体及び社会各領域からの有志者に、支持と権限の付与の署名を集めること。現在、海外と中国本土から沢山の支持と権限の付与が届いており、書名は進行中である。署名の数はまた統計されていないが、状況はかなり楽観的である。

司法委員会の成立日

米国東部時間6月15日、オーストラリア時間の6月16日に、記者会見を開き、「中国共産党を裁く国際司法委員会」 の正式な成立を公表する予定である。

他の国際刑事法廷との違い

ニュルンベルク法廷と東京法廷はともに国連の名義で、当時の戦勝国の敗戦国に対する審判である。「司法委員会」は、世界の人権組織、民主政治組織、NGO団体を含めて、各領域からの有志者らが共同署名した権限の付与書により成立するものである。つまり、背景は違うのである。

「中国共産党を裁く特別刑事法廷」成立の法律上の根拠

この法廷の成立は、大きな背景の下にある。第2次世界大戦後、 ニュルンベルク法廷と東京法廷があったが、歴史を振り返って見れば、一つの基本事実が分かるだろう。つまり、第2次世界大戦後から今日まで、人類社会において最大なる人権災難、最も厳重な反人類の罪を犯したのは、国家専制権力を盗んだ独裁者である。 クメールルージュのポルポト、ユーゴスラビアのミロシェビッチ、イラクのサダム、北朝鮮の金正日など、すべては人民を大量殺した独裁者である。

特に、中国共産党は、56年間の統制の中に、暴力で盗んだ国家権力を利用して、国家テロリズムで国家権力を維持する中で、8000万の中国国民を死なせた。共産党の政権が建てられて以来、89年の天安門事件まで、人権災難を次々と起した。更に、1999年に、世界で最大なる人権災難、法輪功学習者への迫害をもひき起した。しかも、その加害者である独裁者がいまだにも国家権力の後ろ盾に隠され、法輪功へ対するジェノサイドを続けている。

つまり、国家権力を利用して反人類の罪を犯した独裁者に対して、現有の司法の構造は被害者に対して人権救済を有効に実行できず、被害者のため正義をよりよく広げられない。

このような現状で、我々は、独裁者が国家権力を利用し、民衆に対して起したあらゆる反人類の罪を裁くため、新たな司法の構造を立てる必要を感じた。全ての人にとっても、それはとっても緊迫的なタスクであるだろう。

「中共を裁く特別の国際刑事法廷」の設立の意義

法廷の設立を準備する際、幾つかの基本的な考えがあった。まず、歴史は人間に作られたもので、人間は歴史の主体である。我々が、新しい思惟、新しい法律意識から、タイムリーに正義を守る司法の構造を創造するべきである。それは我々の問題思考の出発点である。

この新しい法廷は、従来のと幾つかの違いがある:

第1 常規の法廷は、国家権力を後ろ盾として必要としている。我々のこの法廷は、国家権力ではなく、民間の有志者たち、各人権組織、民主政治団体の権限授与がその総意の基礎となる。特別法廷の法律正当性は、主に法廷審判の正義性と合法性、法廷設立そのものの正義性と合法性にある。

第2 人類の歴史において、民衆が、国家政権を握っている独裁者に対して、自から法廷を設立することは極めてまれである。我々の法廷は、国家テロリズムを利用して独断の国家権力を維持する中国共産党を裁判の対象としている。また、中国共産党に付属している幾つかの610事務室のようなファッショの組織、厳重な罪を起した上に国家権力を握っている在任中の個人も我々の裁判の対象である。それは、はじめての、独裁集団がまだ国家権力を掌握している時期に彼らに対する審判だろう。このような審判を通して、中国の死亡した8000万人の民衆のため、現在まだ迫害されている法輪功学習者のために正義を広げる。

独裁者を恐れ戦かせる法律の原則を作り上げる

我々が更に、この審判を通して、一連の独裁者を恐れ戦かせる法律の原則を作り上げ、今後、独裁者が国家権力を利用して反人類の罪を犯すことを防ぐようにと望んでいる。

これらの新しい司法の原則は、主に以下の幾つの点である:

1.人権は国家主権を超える原則 国家主権は絶対的な存在ではなく、国民の基本権利を源とするべきであり、人民の権利は最優先とすべきである。主権は民衆にあるという原則を再び設立すべきである。

2.政治権力は、人民の選択権から生まれるべきである。つまり、国連人権宣言の第21条約が規定された精神、つまり如何なる国家の政府権力、あるいは他の政治権力であれ、人民の意志により生まれるべきであり、人民の意志は自由の、定期且つ公正な選挙により実現されるべきである。

3.独裁者あるいは独裁集団が、暴力により奪った政権、または国家テロリズムを利用して維持する政権は不法である。その不法の権力が承認した全ての法律、またはコントロールしている司法システムの全ての活動は不法的である。その不法の政権が制定した法律そのものは合法性が欠け、司法システムも合法性がないのである。

これらの三つの原則は、中国の民衆にとっては極めて重要である。 中国共産党が過去の56年間、ずっと独断の法律の名目で自由、民主、信仰を有罪と宣し、彼らが厳しくコントロールしている裁判所が作った判決で民衆を迫害し、殺している。いまだに、彼らが作った悪法の名義で法輪功学習者を迫害している。多くの迫害は、「裁判所の判決」により実行されたものである。

ゆえに、独断の法律を悪法と宣する、独裁の国家権力を不法と宣する、独裁国の刑事司法システムが作った如何なる判決も不法な判決と宣することは、きわめて重要である。

第四の原則は、つまり、如何なる独裁者が国家主権を後ろ盾とし、国家主権の後ろ盾に隠れても、国際社会と全人類からの審判と制裁から逃げることは許されないことである。第2次世界戦争の後に起こった最も過酷な人権災難は、全ては独裁者が国家主権を後ろ盾として、残酷な手段で人民を迫害、虐殺、または酷使している。彼らは、「内政干渉」という口実で、常に国際社会と、人類の良知からの非難を避けようとしている。 しかし、「中国共産党を裁く特別の国際刑事法廷」が独裁者を審判した後、独裁者は、もはやそのような口実を作れなくなるだろう。国家主権はあくまでもある民族の、普遍的な人間の良知に一致する法律を守るためであり、独裁者が法律の制裁から逃げるための後ろ盾ではない。

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