仏海外県レユニオン島で奇病発生、77人死亡

2006/03/01
更新: 2006/03/01

【大紀元日本3月1日】マダガスカル島東部のインド洋上に位置する仏海外県・レユニオン島で先月、原因不明の伝染病が流行、77人が死亡したことが明らかになった。感染拡大の恐れがあるため、住民らは不安の日々を過ごしているという。明報が伝えた。

仏当局のベルトラン健康保険担当相は23日、「感染患者の病状から、蚊が媒介するチクングニア病である可能性が高い」との認識を示した。同氏によると、チクングニア病に罹ると関節が腫れ、腰が曲がってしまい歩けなくなるほどの苦痛を伴うという。高熱が続き、脱水症状、重症皮疹の症状が現れるが死に至ることはないことから、先月死亡した77人の症例はこれまでの臨床例と相違すると発表した。

仏当局は、原発地区を消毒し、蚊を駆逐するため、軍隊400人を派遣したという。情報筋によると、景勝地として知られるレユニオン島は、地元労働者約10%が病気で倒れ、観光客の予約数は60%降下し、経済的損失は既に1500万ユーロ(約21億円)に達する見込み。

レユニオン島では、昨年3月よりこれまで11万人が同感染症に罹患し、総人口数の1/7を占めている。インド洋の島々では、レユニオン島のほか、モーリシャス共和国セイシェル共和国でも同感染症が少なからず見られたという。

世界保健機関(WHO)は、仏当局に協力し、地区内の監視体制を整えるため、専門家チームをレユニオン島へ派遣したという。これまで同感染症での死亡例がなかったことから、まだワクチンと特効薬の開発はされていないという。

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