四川省:ブタ感染症再発生、死亡者31人、香港でも確認

2006/07/31
更新: 2006/07/31

【大紀元日本7月31日】中国衛生部は28日、四川省資陽市で6月下旬から同日正午までにすでに152人がブタ連鎖球菌に感染、うち31人が死亡、27人が重体と発表した。また、香港でも同様の連鎖球菌に感染した疑いの患者が確認されたという。

ほとんどの患者は、成人男性の農民であるため、発病または死亡したブタとの接触が主な感染理由と見られている。感染者の症状は、高熱、倦怠感、悪心、嘔吐などで、重症例ではさらに髄膜炎、皮下出血、昏睡などの症状が現れる。潜伏期間は短いため、発症すると疾患は急速に進行する。現時点ではヒトからヒトへの感染はまだ確認されていないもよう。

衛生部(日本の厚生省にあたる)の部長・高強氏は29日、「感染の拡大は大まかに制御できた」と発言したが、WHOのスポークスマンのディズ氏は、「現時点で感染の拡大を防げたと断言するのはまだ早い。新しい感染者がまだ現れている、しかも死亡者が増え続けている」との見解を示した。

また、WHOは、この感染症はブタ連鎖球菌による感染の説に疑問視し、細菌感染の場合は、初めからもっと大勢の人が同時に発病するはずと指摘、感染源とされているブタ連鎖球菌はすでに悪性変異を起した可能性があると警告した。

香港衛生署・衛生防護センターはこのごろ、香港市内で同様の連鎖球菌に感染した疑いのある患者1人が確認されたことを報告したが、この患者は近頃旅行をしなかった上、現地の養豚場にも近づいていない、ブタとの接触もなかった。患者は市内の病院で治療を受けた後、7月12日には退院したという。

香港政府は四川省からの肉類の輸入を緊急停止した。

連鎖球菌の感染症が1度養豚場に侵入すると、なかなか発生を抑えられない、またワクチンもまだ開発されていないので、根本的な対処法がないため、対応が非常に困難を極めているようで、消毒などの飼養管理と衛生管理の徹底による対策しかないという。 ブタでの連鎖球菌による感染症は、主として髄膜炎、敗血症、肺炎、心内膜炎や多発性関節炎を引き起こす。

ブタの連鎖球菌によるヒトの感染は、汚染されたブタ(キャリア)または汚染豚肉の取扱い、未加熱または加熱不十分な汚染肉の摂取に原因があり、新鮮であっても汚染されている加熱不十分な肉の摂取は危険だという。

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