全米弁護士組織、高智晟氏に勇敢提唱者賞授与

2007/05/16
更新: 2007/05/16

【大紀元日本5月16日】米国出廷弁護士委員会(American Board of Trial Advocates=ABOTA)がこのほど、中国の人権派弁護士・高智晟氏に、勇敢提唱者賞(Courageous Advocacy Award)を授与した。同委員会はすでに高智晟・弁護士に受賞を伝え、6月30日に米国カリフォルニア州のサンタバーバラ市のバカラ・リゾートで開かれる授賞式に招待した。

ABOTAは1958年に設立され、全米の裁判官と弁護士組織で、約6300人の会員がいる。目的は、法制を堅持・促進し、国内の陪審団制度の育成・維持に努め、弁護士や裁判官に民事訴訟案に最高の謙虚さ、誠実な職業精神を保持することを促すことだという。同委員会は、個人の自由と安全が脅かされても、依然法律の信念を堅く堅持する裁判官と弁護士を表彰するために、1999年から勇敢提唱者賞を設けた。

初の中国人弁護士受賞

米国サンフランシスコにある「高智晟氏を支援する世界連合会」のスポークスマン・張雪容氏は、「この賞は高弁護士が当然に受けるべき栄耀と認識している。我々を含め高弁護士を支持する人々の誇りでもある。国際社会の各界の有識者が私たちに仲間入りし、高弁護士とその家族の境遇を引き続き関心を寄せるよう願っている」とコメントした。

人権派弁護士の高智晟氏は2004年末から、3回にわたり、中国当局の最高指導者に公開嘆願状を進呈し、法輪功への集団迫害の残酷さを暴露し、弾圧を中止するよう懇願した。その後、同弁護士と家族も迫害されるようになった。

ABOTAの表彰委員会のアラン・ダンスト(Alan I. Dunst)委員長は高智晟氏宛ての書簡にて、「我が委員会は『聚焦中国』誌や、大紀元の報道などを通して、貴殿の多くの案件を調べた。中国での人権侵害に勇敢に立ち向かう貴殿は、『勇敢提唱者賞』の最も相応しい受賞者であると判断した」と述べ、6月30日に、カリフォルニア州のサンタバーバラ市で開かれる授賞式に高智晟氏を招待する旨を伝え、「高弁護士の出席が難しいと承知しているが、是非会いたい。万一、出席できない場合、指定される代理人に賞を授与する。米国出廷弁護士委員会を代表して、再度貴殿の努力に感謝の意を表する」と書き記した。

また、高氏は、勇敢提唱者賞に選ばれたことに光栄の意を示し、自ら受賞し、米国の支援者らと交流することに強く意欲を現し、「例え1%の可能性しかなくても、米国行きの実現を望んでいる」と述べた。

高智晟氏は昨年8月に帰省先で秘密逮捕され、12月に「国家転覆罪」で、有期懲役3年、執行猶予5年、政治権利(日本の公民権にあたる)剥奪1年との有罪判決を受け、釈放された後は、外部との連絡が禁じられ、家族と一緒に自宅に軟禁されていた。4月6日、高氏は北京の支援者への電話連絡に成功し、刑務所で受けた拷問や、家族の状況などについて初めて明らかにした。この通話の直後に、高氏は強制連行され、一週間後に釈放された。支援者と本人が強く堅持した結果、当局は一家への監視を解除した。

エイズ患者を救済する活動家で、高氏の支援者である胡佳氏によると、現在では、高氏が一定の自由を有し、一部の支援者が自宅に訪れることも条件付きで許された、外部との通信は依然禁じられている。また、高氏には働くことが許可されたが、司法関係の仕事についてはならないとの条件つきで、毎日に3台以上の監視する車両に尾行される中、勤め先に出社しているという。