北京の老舗名店、強制移転に断固反対

2007/08/08
更新: 2007/08/08

【大紀元日本8月8日】老舗名店「正陽居」は、北京市中心部の崇文区前門大街に位置する。崇文区政府は北京五輪の開催を理由に、同エリア内の強制家屋移転を命じた。オーナーの孫若愚さん(55)は、店の強制移転を反対、「命をかけても、代々継がれてきた家業を守る、法律の尊厳を守る」と宣言。

前門大街140号にある「正陽居」は清の時代に創立、160年の歴史を持つ、山東料理、焼肉、しゃぶしゃぶ、カニ料理で有名な老舗料理屋。宮廷に食品を納めていた。そのお菓子は、「天下一品」と称されている。

区政府の補償金支払い方式を拒否するオーナーの孫若愚さんは、開発後の現地、あるいは近隣地区に戻って、店を再開すると堅持、すなわち、不動産の所有権交換を主張、先祖代々継がれてきたこの老舗を守ろうとしている。しかし、彼女のこの要求は、政府に拒否されている。

孫若愚さんは、中国国務院305号令を自分の主張の法律根拠と説明している。この法令は、「家屋移転の補償方式は、金銭補償は可能で、所有権の交換も可能。移転対象者は、補償方式を選択できる」と定めている。

法律根拠を有している孫さんは、どうして裁判しないかとの質問に対し、「多くの隣近所が裁判したが、皆敗訴してしまった。1人も勝っていない。裁判所は政府の言いなりになっている。法律ルートで解決を望むのは無理」と説明、「区政府は、我々を追い出して、高値でここの土地を売ろうとしている。私はオリンピックを支持するのだが、この人たちはオリンピックを口実に、違法な企みを図っている。私はなにも方策がない、唯一できるのは、姉と一緒に、ここで店を守るしかない」と話し、徹底的に『釘子戸』になることを宣言した(注:『釘子戸』は、家屋の強制移転に反対、頑として強制取り壊しに反対する住民のこと。すなわち、釘のように動かない)。

また、孫さんによると、付近の近隣は、家屋の強制移転を反対、強制取り壊しの際に、自宅の屋上で抗議したが、無理やりに引っ張り下され、自宅がブルドーザーであっという間に平地にされた。「それでも、私は最後までに抗議していく」と孫さんは意気込みを語った。

BBC中国語ネットの報道は、北京の伝統建築物の保護を求める活動家華新民氏の見解を引用した。彼女は、「2001年、北京オリンピックの招致が成功した重要な原因の一つは、北京という古都の文化特色が認められたため。いま、五輪の開催のために、古都の風貌を破壊するのは、完全に間違っている」と述べ、「また、多くの五輪開催関連施設の場所は、これらの伝統建築物の所在地とは無関係である。一部の政府関係者はオリンピック開催を口実に、立地のよい建物を強制移転させ、その土地を売却、暴利を貪っている」と説明、中国ではオリンピックの開催が絶対なテーマとなり、オリンピックを反対すると、すぐに政府を反対すると同等にされ、オリンピック=政治となっていると非難した。

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