米社の血糖試験紙を偽造、中国上海医薬品社長逮捕

2007/08/24
更新: 2007/08/24

【大紀元日本8月24日】ブルームバーグ・ニュースによると、米大手医薬品メーカー、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson )の血糖試験紙を、中国の医薬品メーカーが偽造していたことが分かった。偽造していたのは中国上海にあるハルソン製薬会社(Halson Pharmaceutical)で、同社社長の蘇志勇(Su Zhi Yong,音訳)は、すでに中国で逮捕されたという。

ジョンソン・エンド・ジョンソン社は昨年9月、同社傘下のライフスキャン(LifeScan)が製造した「OneTouch Test Strip」という血糖試験紙に関する15件の苦情を受け、 全米700の薬局に対して独自に調査を行った。その結果、同商品の偽造品100万枚がアメリカ全土とカナダ、ギリシャ、インド、パキスタンなどで販売されており、それら偽造品は中国上海のハルソン製薬会社が製造したものであることが分かった。

ビジネス情報サイト(tradekey.com)によると、ハルソン製薬会社は1989年に設立され、10名余りの従業員を抱える小規模の製薬メーカーで、CEマーク(EUが定める安全規格に適合した製品に付けられるマーク)の資格を有し、妊娠検査薬やHIVウイルスチェックキット、血糖試験紙などを生産している。現在、同社の電話は不通となっており、ホームページ(既に閉鎖されている)に記載されていた会社住所も偽っていたことが分かった。

現在までに偽造品を使用したことによる事故の報告はない。しかし、同製品の血糖値が正しく表示されないため、糖尿病患者がまちがった量のインスリンを投与してしまう可能性があり、当局は消費者に対して注意を呼びかけている。

世界保健機構(WHO)の情報によると、偽造薬のブラック・マーケットは全世界で約320億米ドル(約3兆6480億円)に達し、その規模はますます大きくなっているという。また、米国連邦食品医薬品局(Food and Drug Administration) が2006年に行った偽造品に関する調査は54件に上り、2005年に比べてほぼ2倍になっているという。

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