チベット「3・14」事件から2周年 各地で厳戒態勢

2010/03/15
更新: 2010/03/15

【大紀元日本3月15日】3月14日は、チベット「3・14」事件の2周年記念日。首都ラサでは中国当局が特別警察を配備して厳戒態勢を敷き、物々しい雰囲気となっている。BBCによると、警察側は各種のけん銃や銃弾、ナイフ等の所持を取り締まり、ホテルや疑わしい住居などに突入捜査などを行っているという。また、ラサからの情報によると、警察側の突入捜査は夕刻に始まり深夜まで行われているようだ。

08年3月14日、チベットの首都ラサで発生したチベット人の中国共産党統治に対するデモ抗議は、20年来で最大規模の暴力事件に発展した。これによりチベット全域の情勢はさらに緊張した。

この他にも、最近、ネパール国境歩哨所でも警備が強化されている。ネパール側の報道では、中国当局は保安措置を強化し、現地チベット人の中共に対する抗議活動を制限していると伝えている。

中共の目的は、チベット仏教の壊滅

3月10日は、チベット佛教の精神指導ダライラマ14世がインドに亡命した51年目の記念日であった。10日に行われたダライラマの演説には、チベットの伝統的長衣を身につけた僧侶数千人が出席した。

演説の中で、中国当局がチベット問題について、チベット側の妥協の努力を拒絶していることを指摘。過去30年にわたる中国政府とのチベット問題解決についての対話では具体的な結果を出せておらず、現在の中国共産党権力者の態度から見て、短期間で成果を上げることは難しいと指摘する一方、対話協議の立場を堅持することに変わりはないとの意志も伝えた。

中国共産党は、ノーベル平和賞受賞者であるダライラマを分裂主義者として非難し、チベット動乱を裏で指揮したとしている。しかし、ダライラマは中共のこのような非難を否認しており、目標はチベットにおける真の自治の実現であると伝えている。

「今のチベットは中国共産党が実施している『愛国愛教』など各種政治運動の管制と圧力下にあり、各寺院は観光スポットとなってしまっている。出家僧は自由を失った囚人であり、佛法を学ぶチャンスを失った。これは明らかに佛教壊滅の行為である」

さらに、中国政府が認めているか否かにかかわらず、チベット全域の多くの軍警察や外国人のチベットへの訪問の制限を見れば、チベット問題の存在とその深刻さは明らかだと指摘した。

ダライラマは中国の管轄下にあるチベット内の精鋭に対し、亡命チベット人コミュニティーを訪問するよう呼びかけている。

(翻訳編集・坂本)
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