中国通信機器最大手、米企業の資産買収を一転し断念 日本にすでに浸透か

2011/02/24
更新: 2011/02/24

【大紀元日本2月24日】中国の通信機器最大手「華為技術」は、米IT企業3リーフ・システムズ社の資産買収を断念することを発表した。同社は一時、米下院の外国投資委員会(CFIUS)から出された買収の撤回勧告には応じない姿勢を示したが、一転して通達を受け入れる形となった。VOAが伝えた。

「華為技術」は昨年5月、複数のサーバーをつないで演算性能を高める技術を備える3リーフ・システムズ社の特許取得済みの資産などを買収した。企業買収ではないため、CFIUSの事前承認を得る必要はなかったが、同社創業者には人民解放軍の出身者やタリバンなどのテロ組織にかつて武器を提供していたという噂があるため、米国務省はCFIUSに買収を審査するよう求めていた。

今回の買収撤回について、中国商務省は公式サイトで「遺憾だ」と述べ、「近年、米国は安全保障上の問題を口実に、中国企業による対米投資活動を妨害している」と強く反発し、今後の米中貿易に影響を与えかねないとしている。

また、米政府への対抗措置であるかどうかは不明だが、中国政府はこのほど外資企業による中国企業の合併・買収について、国家レベルの審査機関を設置し、中国の安全保障への影響を審査する方針をまとめた。

VOAは米専門家の話として、中国は今後、米企業による対中投資に対して報復措置を講じる可能性があり、米中貿易の摩擦が高まるだろうと報じた。

安全保障上の懸念から、同社による米企業の買収はこれまでもたびたび頓挫していた。2008年の3Com社買収は、米議会の反発でストップがかかった。2009年には華為製品を導入しようとしたAT&Tが米国家安全保障局から警告を受けたという。同様の理由で英、豪、印の市場参入も苦戦を強いられている。

一方、日本では、同社はイーモバイルに端末と設備を納入しており、2010年12月発売のAndroid 2.2を搭載したスマートフォン「Pocket WiFi S」は同社製のスマートフォンをベースとしている。

 (翻訳編集・叶子)
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