農薬廃棄物から作られた塩を食用として販売=中国

2012/02/04
更新: 2012/02/04

【大紀元日本2月4日】先日、江蘇省のある企業が農薬の固形廃棄物から塩を製造し、違法に販売していたことが明らかになった。

新華網によると、この事件は昨年、安徽阜陽塩業と公安が道路で18トンの密造塩を押収したことから発覚した。この塩の押収後、江蘇鎮江海天塩化公司が農薬の固形廃棄物から14000トンの塩を製造し、すでに12省の塩市場に流入していることが明らかになった。これらの塩は主に、現地で焼餅(シャオピン)や散子(サンズ)などの食品を作る加工食品小売店に販売されていた。

調査によると、海天塩化公司は1トン10元(1元は約12円)で原料の農薬廃棄物を買い取り、洗浄・乾燥させた後、工業塩に加工した。生産にかかる総コストは1トンおよそ100元で、1トン350元から400元で密造塩卸売業者に売り、業者はそれを1トン700元で違法糧油店に卸した。そして糧油店は1トン1400元で加工食品小売店に密造塩を販売していた。このため、固形廃棄物塩の産業チェーン上ではどのポイントでも100%あるいはそれ以上の利潤率となっている。

押収された塩のサンプルは中国農業大学に送られ、検査された。その結果、グリホサートが55mg/kg含まれていた。グリホサートは除草剤で、最も広く使用されている農薬である。工業塩から農薬成分が検出されたのは初めてで、中国でも前例を見ないことだ。

品質基準に不合格の食塩、工業塩や品質の低い塩の大口販売問題は安徽、江蘇、山西等の省で依然として突出している。2011年、安徽省で各種の違法塩が押収された事件は1914件。押収された各種違法塩製品は947トンだった。山西省では2省にまたがる密造塩販売事件が摘発処分を受けており、容疑者は2か月間に160トン余りの不合格食塩を販売したという。

市場において押収された大量の工業塩や低品質塩には基準値以上の重金属が含まれている。人体、特に妊婦や児童に対する害が非常に大きく、深刻な場合、中毒を引き起こす恐れがある。

(翻訳編集・坂本)
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